【2026年最新】点字の学び方8選!通信講座・点訳講習会・無料教材を比較

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エレベーターのボタンの横、缶飲料のふた、家電の操作パネル。身の回りには点字がたくさんあるのに、「何が書いてあるのか読めない」と感じたことのある人は多いのではないでしょうか。点字は、縦3点・横2列の6つの点の組み合わせで五十音や数字を表す、指で触って読む文字です。仕組みそのものはシンプルで、五十音の規則を知れば、読み方の全体像は短時間でつかめます。そのうえで、正確に書くためのルールを添削や講習で身につけていく、というのが一般的な学び方です。

この記事では、全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)や日本点字図書館などの公式情報で点字の基礎を整理したうえで、公式サイトを実際に開いて講座の存在・内容・料金を確認できた8つの学び方(通信教育1・無料・低額の学習サイトと教材3・地域の点訳奉仕員養成講座4)を、形式・費用・受講条件の観点で比較します。点字は、視覚障害のある方にとって読書や学習、生活を支える大切な文字です。そのことを踏まえて、「読めるようになりたい」「点訳ボランティアに挑戦したい」といった目的別に、自分に合う入り口を探してみてください。なお、掲載の日程や金額は2026年10月24日時点で各公式サイトに掲載されていた情報で、年度や募集回によって変わります。

目次

点字とは?六つの点で五十音を表す仕組み

点字は、縦3点・横2列の6つの点を1単位とする文字で、この単位を「マス」と呼びます。日本点字図書館の解説では、凸面から読む向きで左上から下へ①②③、右上から下へ④⑤⑥と番号をつけて説明しています。6つの点それぞれが「ある・ない」の2通りなので、点が1つもない状態も含めて組み合わせは64通りです。この限られた組み合わせで、ひらがな・カタカナ・数字・アルファベット・記号までを表すために、濁音や拗音(きゃ・きゅ・きょなど)は「前に置く記号」を使って2マスで書き分けるなど、工夫がされています。

五十音は規則的に並んでいるので、覚え方にはコツがあります。全視情協の「点字について」によると、①②④の点の組み合わせで母音(あ・い・う・え・お)を表し、そこに③⑤⑥の点を足して子音を表す仕組みです。たとえば、あ行の形に⑥の点を足すとか行、⑤⑥の点を足すとさ行になります。行ごとの足し方を表にまとめると次のとおりです。

行あ行の形に足す点例(全視情協の解説より)
あ行(母音)なしあ①・い①②・う①④・え①②④・お②④
か行⑥か①⑥・き①②⑥・く①④⑥
さ行⑤⑥さ①⑤⑥・し①②⑤⑥・す①④⑤⑥
た行③⑤た①③⑤・ち①②③⑤・つ①③④⑤
な行③な①③・に①②③・ぬ①③④
は行③⑥は①③⑥・ひ①②③⑥・ふ①③④⑥
ま行③⑤⑥ま①③⑤⑥・み①②③⑤⑥・む①③④⑤⑥
ら行⑤ら①⑤・り①②⑤・る①④⑤
や行・わ行母音の形を一番下へ下げて組み合わせるや③④・ゆ③④⑥・よ③④⑤/わ③・を③⑤・ん③⑤⑥

点字には、点字ならではの書き方のルールもあります。日本点字図書館のキッズページや全視情協の解説では、次のような点が紹介されています。

  • 分かち書き:意味のまとまり(文節)ごとに1マスあけて書きます。
  • 発音どおりに書く:助詞の「は」「へ」は、話すように「わ」「え」と書きます(「わたしわ ほんやえ いく」)。
  • のばす音は長音符:「きょうは」は「きょーわ」のように、う段をのばす音は②⑤の点の長音符を使います(「おおきな」のように「お」が続く場合は「おお」と書きます)。
  • 濁音・半濁音・拗音・促音:濁音は⑤、半濁音は⑥、拗音は④の点を前に置き、小さい「っ」は②の点で表します。
  • 数字は数符から:数字を書くときは、先頭に③④⑤⑥の点の「数符」をつけてから数を表す点字を書きます。
  • ひらがなもカタカナも同じ点字:点字には、ひらがなとカタカナの区別がありません。

歴史も押さえておくと、学びが深まります。いま世界で使われている6点の点字は、フランスのルイ・ブライユが16歳だった1825年に考案したもので、これによって視覚障害のある人が速く読み、自分で自由に書ける文字が生まれたと全視情協は解説しています。日本では1887年(明治20年)にローマ字式の点字が初めて使われ、その後、東京盲唖学校の石川倉次の案が1890年11月1日に日本の点字として採用されました。この日にちなみ、11月1日が「日本の点字制定の日」とされています。

点字を学ぶ目的は?読む・点訳する・理解を深める

「点字を学ぶ」といっても、目的によって必要な学習の深さは大きく変わります。先に目的を決めると、次の章の比較が読みやすくなります。

  1. 身の回りの点字を読めるようになりたい(エレベーター・家電・飲料や食品の容器など。全視情協は、数字や単語だけでも読めると日常で役立つ場面があると紹介しています)
  2. 点訳ボランティアとして活動したい(活字の本や広報紙などを点字にして、視覚障害のある方に届ける活動。点字図書館が開く養成講座を修了して登録する流れが一般的です)
  3. 視覚障害への理解を深めたい・接し方を知りたい(学校や職場の学び、地域活動の一環など。体験型のワークショップを開く点字図書館もあります)
  4. 仕事や指導に活かしたい(点字指導員や点字技能師といった、より専門的な認定制度があります。詳しくは後半の章で紹介します)

目的が「読む」だけなら、無料の学習サイトや教材から始めても十分です。「点訳したい」なら、点字のルール(分かち書きや表記法)を添削や講習で正確に学ぶ必要があります。この2つで、選ぶ講座の方向が分かれます。

視覚障害のある方とのコミュニケーションに関心がある人には、手話の学び方も参考になります。手話のオンライン講座・教室を比較した次の記事で、福祉・コミュニケーション系の学びの全体像がつかめます。

点字の学び方は3ルート|通信・無料教材・地域の養成講座

公式情報を調べると、点字の学び方は大きく3つのルートに整理できました。

  • 通信教育で学ぶ:自宅で課題に取り組み、添削を受ける形式。時間と場所を選ばず、有料です。
  • 無料〜低額の学習サイト・書籍・体験で学ぶ:全視情協や日本点字図書館のWebコンテンツ、東京ヘレン・ケラー協会の練習帳など。自分のペースで試せます。
  • 地域の点訳奉仕員養成講座で学ぶ:自治体や点字図書館が年度ごとに開く講習。受講料が無料〜低額の一方、居住地や「修了後に活動できること」などの条件がつく場合があります。

今回の調査では、一般の資格スクールが公式サイトで案内している点字講座は見つかりませんでした(確認時点:2026年10月24日)。点字の学習は、視覚障害者向けのサービスを担う社会福祉法人・点字図書館・自治体が中心です。そのため、講座は年度ごとの募集になっているものが多く、「いつでも申し込める」形ではない点に注意が必要です。

点字講座を選ぶ4つのポイント

  1. 目的に合っているか(「読む」ための入門か、「点訳」まで進む養成講座か。養成講座は修了後に活動を続けることが前提のものがあります)
  2. 学習の形式(通信・対面・Webサイト。対面は会場への通いやすさ、通信は課題を期限内に出し続けられるかが決め手になります)
  3. 受講条件(居住地の制限、パソコンの基本操作、説明会・体験会への参加など。申込前に必ず募集要項で確認します)
  4. 費用に含まれるもの(受講料のほか、テキスト代・点字器・点訳ソフトが別料金かどうか。「受講料無料」でも教材費は自己負担という講座が多くあります)

なお、通信教育は年2回(4月・10月)、地域の養成講座は4〜6月に申込を締め切る年度が多く、今回確認した講座の募集時期は、すでに過ぎています。次の募集は公式サイトで発表されるまで確定しませんので、「どんな講座が、どんな条件で開かれているか」の実例として読み、来年度の募集に備えてください。

【比較表】点字を学べる講座・教材8選

8つの学び方を、形式・費用・期間や回数・主な条件の4項目でまとめました。金額は公式サイトの表示にもとづくもので、税の扱いは各公式の表記に従っています。

スクロールできます
形式費用(公式表示)期間・回数主な条件・備考
視覚障害者支援総合センター(点字通信教育)通信(添削)基礎編31,325円(教材費等を含む)受講開始から1年・全10回点字初心者向け。募集は年2回(4月・10月)
全視情協(ひとりで学べるたのしい点字)Webサイトサイトで公開(受講料の案内は確認できず)ステップ1〜25自分のペースで学べる。点字器は別途
東京ヘレン・ケラー協会(点字練習帳)書籍(独学)活字版900円(税別)—点字記号一覧は同協会サイトで閲覧可
日本点字図書館(点字のしくみ・ワークショップ)Web+館内ワークショップワークショップ参加費は無料2026年度は3テーマ(要予約)点字を体系的に習得する講座ではなく、理解・体験の入口
群馬県立点字図書館(点訳奉仕員養成講座)対面+通信添削入門編無料・基礎編以降はテキスト代入門3回・基礎13回・応用(通信添削)県内居住者が対象。20人程度
横須賀市点字図書館(点訳・音訳基礎講習会)対面受講料無料(交通費・教材費は自己負担)点訳は毎週木曜・全37回修了後にボランティア活動できる人。説明会・体験会が必須
長野県(点訳ボランティア養成講座)対面初級は初回に教材2,575円など初級11回・応用11回・実践4回各講座12名程度。応用以降はノートパソコン持参
高知声と点字の図書館(点訳ボランティア養成講座)対面+通信課題受講無料(テキスト代実費1,540円程度)直接講座12回+通信課題35回程度パソコン(Windows)でメール送受信できる人。15名程度

以下、紹介する順番は上の比較表と同じです。順位やランキングではなく、学び方のタイプ別に並べています。

通信・自宅で学べる点字講座・教材4選

1. 視覚障害者支援総合センター|点字通信教育(基礎編・応用編)

視覚障害者支援総合センター 点字通信教育の公式ページ

点字を一から、自宅で添削を受けながら学びたい人には、東京都杉並区の社会福祉法人 視覚障害者支援総合センターが開く「点字通信教育」が候補になります。基礎編は点字を初めて学ぶ人向けで、読み方と書き方の練習が全10回、受講期間は開始日から1年です。課題を送ると、原則として2〜3週間で添削されて返送されると公式に案内されています。同センターは講師について「各地の点字教室で実績のあるベテラン」と紹介しています。

基礎編の受講料は31,325円(指導料22,000円・諸経費5,000円・教材費等4,325円)です。教材費等の内訳は、『点字のレッスン 改訂新版』1,485円、『日本点字表記法 2018年版』1,540円、小型点字器(プラスチック製)1,300円(非課税)と示されており、すでに持っている教材は差し引けます。基礎編を終えた人向けの応用編は30,000円で、書き方練習全10回と、点字で30ページ程度の修了作品に取り組みます。英語点字(37,900円)と音楽点字(37,750円)もありますが、いずれも日本語点訳を習得した人が対象です。

気をつけたいのは募集時期と取消の扱いです。新規募集は年2回、4月と10月に、募集がある場合にホームページで公開されます。2026年10月分はすでに終了と表示されており、次回は公式サイトの発表を待つ必要があります。また、同センターの過誤以外では受講料は返還されないため、申し込む前に教材と日程を確認しておきましょう。

形式通信(課題の郵送・添削)。申込はメールまたはFAX
受講料基礎編31,325円/応用編30,000円/英語点字37,900円/音楽点字37,750円
期間・回数いずれも受講開始日から1年。基礎編・応用編は全10回(応用編は修了作品あり)
対象基礎編は点字を初めて学ぶ人。応用編は基礎編修了者など
募集年2回(4月・10月)。定員に達し次第締め切り

2. 全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)|ひとりで学べるたのしい点字

全視情協「ひとりで学べるたのしい点字」の公式ページ

まずは費用をかけずに試したい人には、全視情協が公開している学習サイト「ひとりで学べるたのしい点字」があります。キャラクターの「G-10」と「マナブくん」と一緒に、ステップ形式で点字を学ぶ作りで、全視情協サイトには同じ内容のテキスト(ステップ1〜25)も載っています。たとえばステップ2では、エレベーターのパネルにある点字を例に「6つの点の組み合わせが点字になる」ことを学べます。サイトは福祉医療機構の社会福祉振興助成事業として製作されたと明記されています。

このサイトには、点字を書くルールをより詳しく学ぶためのサブテキストを、携帯用点字器と一緒に使うという案内もあります。さらに、全視情協は出版物のページで、入門書として『G-10とマナブくんの点字教室』『初めての点訳 第3版』、DVD『指で読む文字 初めての点字』などを案内しています。公式サイトで確認できた範囲では、添削など個別指導の仕組みは案内されていないため、書き方のルールを正確に身につけたい人は、後述の養成講座や通信教育と併用するのが現実的です。

形式Webサイト(誰でも開ける形で公開)
費用サイト上に受講料などの案内は確認できず(点字器・書籍は別途)
内容点字との出会い、使い方、ステップ形式の学習(ステップ1〜25)
発行元特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会

3. 東京ヘレン・ケラー協会|点字練習帳(書籍・点字記号一覧)

東京ヘレン・ケラー協会「点字を学ぶ」の公式ページ

紙の本でじっくり練習したい人には、東京ヘレン・ケラー協会が発行する「点字練習帳」があります。同協会サイトの「点字を学ぶ」ページでは、活字版(全1巻、B5判・106ページ)が900円(税別)、点字版(全2巻)が8,000円(非課税)、点字版の「点字練習帳練習問題解答」が3,000円(非課税)と案内されています。購入や問い合わせは、サイト内のお問い合わせページから行います。

目次を見ると、レッスン1「日本語を正確に読みましょう」、レッスン2「点字の読み方と書き方」、レッスン3「点字の五十音」、レッスン4「仮名遣い」と、読み書きの基礎から順に進む構成です。同じページから、点字記号一覧(1)〜(4)をWeb上で見られます。まずは記号一覧で全体像を眺め、練習帳で書く練習へ進む使い方ができるでしょう。ただし、書籍だけの学習では添削は受けられません。

形式書籍(独学)。活字版と点字版がある
価格活字版900円(税別)/点字版8,000円(非課税)/練習問題解答(点字版)3,000円(非課税)
内容レッスン形式で点字の読み書き・五十音・仮名遣いなどを学ぶ
無料で見られるもの点字記号一覧(1)〜(4)

4. 日本点字図書館|点字のしくみ(キッズページ)・にってんワークショップ

日本点字図書館「点字のしくみ」の公式ページ

日本点字図書館(東京都新宿区)は、点字・録音図書の製作や貸出、視覚障害者用具の販売を行う社会福祉法人です。公式サイトの「にってんキッズページ」にある「点字のしくみ」は、6つの点とマスの考え方、五十音、濁音・拗音・数字の書き方、分かち書きなどのルール、小型点字器(N632)の使い方の動画までが、やさしい言葉でまとまっています。子ども向けのページですが、大人が最初に全体像をつかむ入口にもなります。

館内では、一般向けに「にってんワークショップ」が開かれています。参加費は無料で要予約です。2026年度は「触る」「聞く」「いっしょに楽しむ カフェにってん」の3テーマで、見えない・見えにくい方の困りごとと、声かけ・誘導の方法を体験を通して学びます。11月21日(土)14時〜16時の「触る」は先着12名です。ただし、これは視覚障害への理解を深める体験で、点字を体系的に習得する講座ではありません。また、同館の点訳ボランティアは、公式のボランティア案内ページによると現在は募集されておらず(募集中は「びぶりお工房」と個人朗読・対面リーディングのみ)、点訳を志す人は地域の点字図書館の養成講座を探す形になります。

形式Webページ(点字のしくみ)/館内ワークショップ(要予約)
費用ワークショップの参加費は無料
内容点字のしくみ・五十音・書き方のルール/視覚障害の理解と誘導の体験
開催予定(公式)11月21日(土)「触る」先着12名、2027年1月16日(土)、2月20日(土)

点字や点訳を学ぶ人には、福祉の分野に関心がある人も少なくありません。介護の入口になる資格として、介護職員初任者研修の通信講座を比較した次の記事も参考になります。

地域の点字図書館などが開く点訳奉仕員養成講座4選

ここからは、点字を本格的に身につけて「点訳ボランティア」になることを目指す人向けの、地域の養成講座を4つ紹介します。いずれも令和8年度(2026年度)の実施要項で、申込期間はすでに終了しています。年度ごとに募集条件が変わるため、来年度の募集は公式サイトでの発表を待って確認してください。

5. 群馬県立点字図書館|点訳奉仕員養成講座(入門編・基礎編・応用編)

群馬県立点字図書館 点訳奉仕員養成講座の公式ページ

群馬県立点字図書館の点訳奉仕員養成講座は、入門3回・基礎13回・応用(通信添削)の3段階で組まれており、入門編だけの受講も認められているのが特徴です。令和8年度は5月13日から翌年1月27日まで、水曜日の午前に実施されました。入門編では、視覚障害者の現状と福祉施策、点字図書館の概要、アイマスク・ガイド体験、点字の五十音を学びます。

基礎編はテキスト『点訳のてびき 第4版』(定価1,540円)を使って、点字の読み書きや、簡単な手紙を点字で書くところまでを標準点字器(貸与)で練習します。習熟度の見極めで、基礎編までで終了となる場合もあります。応用編はパソコンの点訳ソフト(貸与)を使い、メールでデータをやり取りする通信添削で進みます。入門編は無料、基礎編・応用編はテキスト代がかかる設計です。受講資格は「県内に居住する方」で、募集人員は20人程度でした。

形式対面(入門・基礎)+通信添削(応用)
費用入門編無料/基礎編・応用編はテキスト代(『点訳のてびき 第4版』1,540円)
期間・回数令和8年5月13日〜令和9年1月27日の水曜午前。入門3回・基礎13回・応用は通信添削
受講資格県内に居住する方。基礎編は入門編修了者、応用編は基礎編修了でパソコンの基本操作・メール送受信ができる方
定員20人程度(令和8年度)

6. 横須賀市点字図書館|点訳・音訳基礎講習会

横須賀市点字図書館 点訳・音訳基礎講習会の公式ページ

神奈川県の横須賀市点字図書館が開く基礎講習会は、点字図書や広報紙の点訳ボランティアを養成する講習会です。毎週木曜日の10時〜12時、令和8年5月14日から全37回と、じっくり時間をかけて学べる構成です。受講料は無料ですが、交通費と教材費は自己負担で、点訳では初級でテキスト『点訳のてびき 第4版第2刷』(1,400円・税抜)と小型点字器N632(1,300円・非課税)、上級からは点字編集システム8のダウンロード版(6,800円・税抜)を使うと案内されています。

条件は比較的はっきりしています。原則として全日程に参加でき、修了後に同館でボランティアとして活動できる人が対象で、「講習のみ」の受講はできません。パソコンの基本操作ができ、点訳の受講希望者はWindows 11のパソコンを持っていることも求められました。さらに、説明会(4月14日または16日)と体験会(点訳は4月23日)の両方への参加が申込の前提とされています。「入ってから合わなかった」を防ぐ丁寧な仕組みで、活動を続けたい人向けの講習会だとわかります。

形式対面(横須賀市立総合福祉会館4階)
費用受講料無料。交通費・教材費は自己負担
期間・回数点訳:令和8年5月14日から毎週木曜10〜12時、全37回
受講条件原則全日程参加・修了後にボランティア活動・パソコンの基本操作・Windows 11(点訳)・説明会と体験会に参加
申込説明会と体験会に参加した人を対象に、令和8年4月27日まで

7. 長野県|点訳ボランティア養成講座(初級・応用・実践)

長野県 点訳ボランティア養成講座の公式ページ

長野県は、社会福祉法人 長野県視覚障害者福祉協会の運営で、点字初級・応用(パソコン点訳)・実践の3講座を年度内に続けて開いています。令和8年度は、初級講座が4月14日〜8月25日の全11回(火曜13:30〜15:30)、応用講座が9月1日〜12月15日の全11回、実践講座が翌年1月12日〜3月9日の全4回です。「点字に興味があり基礎から学びたい方」が初級の対象で、点字の知識がない人でも入れる設計です。

費用の面では、初級は初回にテキスト・簡易点字器・点字用紙の合計2,575円、応用講座は初回にテキスト1,540円を購入すると案内されています。応用・実践はパソコンでの作業になるため、個人のパソコン(タブレット型は不可)を持参します。受講後は、上田点字図書館の通信教育への登録もでき、全国の視覚障害のある方に向けた点訳図書づくりに携われるとされています。各講座の定員は12名程度で、なお、県のページには「この公募は県議会での令和8年度当初予算の成立が前提」と注記されています。

形式対面(長野県視覚障害者福祉センター・松本市)
費用初級:初回にテキスト・点字器・点字用紙2,575円/応用:テキスト1,540円
期間・回数初級11回・応用11回・実践4回(令和8年4月〜令和9年3月、火曜)
対象初級は基礎から学びたい人。応用は点字の基礎を学び、パソコンの基本操作ができる人。実践はパソコン点訳の経験者
定員各講座12名程度(令和8年度)

8. オーテピア高知声と点字の図書館|点訳ボランティア養成講座

オーテピア高知声と点字の図書館 点訳ボランティア養成講座の公式ページ

高知県の「オーテピア高知声と点字の図書館」は、高知県の委託事業として点訳ボランティア養成講座を開いています。令和8年度は6月13日〜令和9年3月27日の長丁場で、土曜日の直接講座12回と、自宅で取り組む通信課題35回程度を組み合わせた構成でした。受講無料(テキスト代実費1,540円程度)で参加できるのが特徴です。

募集人員は15名程度で、申込多数の場合は選考があります。対象は、ボランティア活動に理解があること、Windowsのパソコンでファイルを添付したメールを送受信できること、講座修了後に継続して活動できることの3つをすべて満たす人です。申込は本人が直接来館し、簡単な面接もあります。直接講座を4回以上休んだり、通信課題の提出が5週以上遅れたりすると、受講の中止になることも明記されています。修了後は、同館のボランティアとして登録して活動を続ける前提の講座です。

形式直接講座(オーテピア1階会議室)+通信課題
費用受講無料。テキスト代実費1,540円程度
期間・回数令和8年6月13日〜令和9年3月27日。直接講座12回(土曜)+通信課題35回程度
受講条件ボランティア活動への理解、Windowsパソコンでメール添付の送受信ができる、修了後に継続して活動できる
定員・選考15名程度。申込多数の場合は選考、簡単な面接あり

自分の地域の講習会を探すには

ここまでの4つはあくまで一部で、同じような養成講座は各地の点字図書館や自治体が開いています。全視情協は、点字を習える場所についてはお住まいの自治体の福祉課などに尋ねるよう案内しています。探すときは、次の順番が現実的です。

  1. 住んでいる地域の点字図書館(視覚障害者情報提供施設)のサイトを見る(「ボランティア募集」「講習会」のページに、年度ごとの募集が載ります)
  2. 都道府県・市区町村の障害福祉課のお知らせを見る(今回の長野県・横須賀市のように、自治体のページで募集が案内されるケースがあります)
  3. 全視情協の「ひとりで学べるたのしい点字」にある全国の施設・団体のページを使う(点字に関わる施設・団体を探す入口になります)

たとえば日本ライトハウス情報文化センター(大阪市)は、点字図書の製作には約150名のボランティアが関わっており、点訳活動を行うには同センターで開く点訳技術講習会の受講が必要だと案内しています。他の施設で講習を修了済みの人は別途相談できるとされています。施設ごとに活動の入口が違うため、「点訳をしたい」と思ったら、まず活動したい施設の案内を確認しましょう。

福祉分野の国家資格に興味がある人向けには、社会福祉士の通信講座を比較した次の記事もあります。点字の学びと、福祉の専門職を目指す道は、重なる部分があるかもしれません。

点字を学んだあとの道|点字指導員・点字技能師

養成講座を修了したあと、さらに専門性を高めたい人向けに、日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)が2つの制度を実施しています。ただし、いずれも一般の入門者がすぐ受けられるものではありません。

  • 点字指導員講習会(指導員認定講習会):視覚障害者情報提供施設に必要な点字指導員の認定と、点訳者のレベルアップを目的とする講習会です。令和8年度は第29回で、講習会が8月20日〜21日にZoomで、認定試験が9月28日に東京で実施されました。受講資格は、日盲社協加盟施設の職員、全視情協サピエ会員施設・団体の指導者、またはその他の施設で指導者として資格が必要な人(いずれも所属先の推薦書が必要)と、点字技能師です。
  • 日盲社協社内検定試験(点字技能師):点訳・点字校正・点字指導などに関わる検定で、厚生労働省の承認を得ていると案内されています。第26回は令和8年11月15日に学科試験(2時間)と実技試験(2時間30分、点字化技能試験と校正技能試験)が実施されます。受験料は15,000円(一部合格者は7,500円)です。受験資格は、日盲社協および日本視覚障害者団体連合で従事する労働者で、点字資料の製作に3年以上従事した人(自己申告、詳細は事務局に確認)とされており、一般の個人が直接受験できる試験ではない点に注意してください。

このように、点字の学びには「読む」「点訳する」「指導する」と、段階ごとに別の入口があります。最初の一歩としては、まず目的に合う入門を選び、続けたくなったら次の段階を調べる、という進め方で十分です。

点字は独学でも学べる?

結論から言えば、「読めるようになる」ことが目的なら、独学でも十分に進められます。理由は、全視情協や日本点字図書館が、無料で読める学習ページや点字記号の一覧を公開しており、六点の仕組みと五十音の規則を、自分のペースで確認できるからです。一方、点訳ボランティアとして活動するには、分かち書きなどの表記ルールを正確に身につける必要があり、添削や講習のある学び方のほうが、遠回りを避けやすくなります。独学で進める場合は、次の3ステップが基本です。

  1. 仕組みを知る(6つの点とマス、母音と子音の組み合わせを、公式の学習ページで確認する)
  2. 読む練習をする(点字一覧表を見ながら短い言葉を読み、身の回りの点字を探してみる)
  3. 書く練習をする(小型点字器と点筆で、短い言葉や自分の名前から書いてみる。書く向きは読む向きと逆になる)

点字の入門書や参考書は、次のバナーから探してみてください。

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指で点を読み取る感覚は、座学だけでは身につきません。全視情協も、点字を指で読むには指の感覚を鍛える練習が必要だと説明しています。無料の教材で仕組みをつかんだうえで、続けたくなったら通信教育や養成講座に進むと、費用の無駄が出にくくなります。

点字を学ぶときに知っておきたい心構え

点字は、視覚障害のある方にとって、読書や学習、生活に欠かせない文字です。学ぶ側として押さえておきたい点をまとめます。

  • 点字の表記には決まりがあり、同じ内容でも表記が違うと読みにくくなることがあります。点訳をするなら、最新の表記法(日本点字委員会の『日本点字表記法』など)に沿って学ぶことが大切です。
  • 点訳ボランティアの養成講座は、「自分が学ぶ場」であると同時に、修了後の活動を前提にした場合が多くあります。講座の案内で、修了後の活動の条件を必ず確認しましょう。
  • 視覚障害のある方への関わり方は、点字を読めるかどうかだけで決まるものではありません。日本点字図書館のワークショップのように、声かけや誘導を体験で学べる機会も活用してください。

よくある質問

Q. 点字は大人になってからでも覚えられますか?

A. 覚えられます。全視情協は、点字を指で読むには指の感覚を鍛える練習が必要だと説明していますが、数字や単語だけでも読めると日常で役立つ場面があるとも紹介しています。今回確認した講座の案内には、年齢の上限は記載されていませんでした(居住地などの条件がある講座はあります)。

Q. 点字を書く道具は必要ですか?

A. 書く練習をするなら、点字器と点筆が必要です。日本点字図書館のキッズページでは、小型点字器の使い方が動画で紹介されています。小型点字器は、視覚障害者支援総合センターや横須賀市の案内で1,300円(非課税)とされています。読む練習だけなら、点字の一覧表とWebの学習ページでも始められます。

Q. 点字が読めるようになるまで、どのくらいかかりますか?

A. 個人差が大きく、一概には言えません。参考までに、今回確認した講座の期間は、通信教育の基礎編が1年・全10回、長野県の初級講座が約4か月・全11回、群馬県の入門編が全3回などです。無理のない頻度で続けられる形式を選ぶことが大切です。

Q. 点訳ボランティアになるには、何をすればよいですか?

A. 地域の点字図書館などが開く養成講座を修了し、その施設のボランティアとして登録する流れが一般的です。講座によって、受講の条件(居住地、パソコン操作、修了後の活動)が決まっているので、募集要項で確認してください。横須賀市のように「講習のみ」の受講を認めない講座もあります。

Q. 無料で点字を学べますか?

A. 全視情協の「ひとりで学べるたのしい点字」、日本点字図書館の「点字のしくみ」、東京ヘレン・ケラー協会の点字記号一覧は、Webで閲覧できます。また、横須賀市や高知県の養成講座は受講料が無料ですが、教材費などは自己負担です。

Q. 視覚障害のない人が点字を学ぶ意味はありますか?

A. 全視情協は、エレベーターや家電、食品の容器などにある点字が読めるようになると、日常に役立つと紹介しています。また、点訳ボランティアとして、本や広報紙を視覚障害のある方に届ける活動にもつながります。

【豆知識】視覚障害のある方の数の動き

点字の学習需要を考えるうえで、点字を使う可能性のある視覚障害のある方の数は、どう動いているのでしょうか。厚生労働省が公表した「令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」から見てみます。

  • 在宅の身体障害者手帳所持者の推計値は、令和4年(2022年12月1日時点)が415.9万人で、前回の平成28年(428.7万人)から減少しました。
  • 視覚障害の手帳所持者(推計)は、令和4年が27.3万人(身体障害者手帳所持者全体の6.6%)で、平成28年の31.2万人(同7.3%)から約12.5%減っています。
  • 数字は減少傾向ですが、これは在宅の手帳所持者の推計であり、点字の学習者数や点字を使う人の数を示すものではありません。

上記は、厚生労働省の調査にもとづく推計値で、今後の増減や、点字講座・ボランティアの需要を保証するものではありません。最新の情報は、必ず厚生労働省の公式ページでご確認ください。

出典:厚生労働省「令和4年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)結果の概要」(厚生労働省 公式ページ、令和6年5月31日付、2026年10月24日閲覧)

まとめ

点字の学び方は、目的によって選び分けるのが基本です。身の回りの点字を読めるようになりたいなら、全視情協や日本点字図書館の無料の学習ページと、東京ヘレン・ケラー協会の練習帳などの教材から。添削を受けて体系的に学びたいなら、視覚障害者支援総合センターの点字通信教育。点訳ボランティアとして活動したいなら、群馬県・横須賀市・長野県・高知県のような、地域の点訳奉仕員養成講座という選び方です。

理由は、点字の仕組みそのものは公式の解説で短時間に理解できる一方、点訳に必要な表記ルールは添削や講習で身につけるほうが確実だからです。講座は多くが年度単位の募集で、居住地や修了後の活動といった条件もあります。まずは無料の教材で仕組みに触れ、気になる講座の公式サイトで、次の募集時期と最新の条件を確認してみてください。

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この記事を書いた人

教育事業の運営に長く携わってきた経験から、学びや資格の「選び方」を比較記事でお伝えしています。各分野の専門家として指導する立場ではなく、公式サイトなどの一次情報を確認し、料金・サポート・実績を読者の目線で整理することを大切にしています。記事にはアフィリエイト広告を含みますが、掲載の可否や順位づけは、読者にとっての分かりやすさを優先して判断しています。料金や日程は変更されることがあるため、お申込み前に必ず公式サイトでご確認ください。

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