【2026年最新】声優になるには?養成所・オンライン講座の選び方と費用を比較

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声優になる道は一本ではありません。事務所に附属した養成所、専門学校、民間の声優スクール、オンライン講座・通信講座といった「学ぶ場所」があり、その先にプロダクションのオーディションという「入口」が待っています。どの場所を選ぶかで、かかる費用も、通う時間も、オーディションに近づける度合いも大きく変わります。

この記事では、声優を目指すときの主なルート、費用の目安、通学とオンラインの違い、養成所から所属・預かりまでの一般的な流れを整理したうえで、各校の公式サイトで講座の存在・料金・形式を確認できた7つの養成所・スクール・講座を紹介します。あわせて、夢につけ込む「オーディション商法」への注意点を、国民生活センターの公表情報をもとにまとめました。情報は2026年10月時点の公式サイトの記載にもとづいており、募集時期や料金は変わることがあります。

なお、声優は人気が高く、競争の厳しい仕事です。この記事は特定のスクールを順位づけしたり、通えば声優になれると断定したりするものではありません。「自分の目的と予算に合う学び方はどれか」を考えるための材料として使ってください。

目次

声優になるまでのルートは大きく5つに分かれる

まずは全体像から整理します。声優を目指すルートは、大きく次の5つに分けて考えると分かりやすくなります。

  1. 声優事務所・プロダクション附属の養成所に通う(日ナレ・青二塾のように、事務所や関連会社が運営している)
  2. 専門学校の声優学科に通う(2年制など、学校法人としての課程で学ぶ)
  3. 民間の声優スクールの夜間・週末コースに通う(仕事や学業と両立しやすい)
  4. オンライン講座・通信講座で学ぶ(自宅で完結する。地方在住の人や社会人に向く)
  5. プロダクションのオーディションに直接応募する(養成所を経由せず、事務所が募集する新人オーディションを受ける)

事務所附属の養成所は、授業の中で事務所のオーディションや審査の機会が設けられていることが多く、プロへの導線を重視する人が検討する選択肢です。青二プロダクション附属の「青二塾」は、公式サイトで「優れた声優は、優れた俳優でもある」という教育理念を掲げ、入塾前に演技の経験は必要ないと案内しています。声優を「演技の仕事」として学ぶ姿勢が分かる例です。

専門学校は、昼間に通う2年制の課程が中心で、声優以外にも演技・歌・ダンスなど幅広い科目を学べるのが特徴です。たとえばアミューズメントメディア総合学院は専門学校で、公式サイトでは声優学科(昼間部・2年制、声優演劇専攻と声優アーティスト専攻)のほか、夜間・日曜に通う声優専科、オンライン専科を案内しています。一方で、民間スクールの夜間・週末コースや、オンライン・通信講座は、仕事や学校と両立しながら始めやすい点が魅力です。

5つ目のオーディション直接応募は、養成所に通わなくても挑戦できる入口ですが、募集条件・審査内容は事務所ごとにまったく異なります。実際に応募する場合は、必ず各事務所の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。そして、ルートは排他的ではありません。たとえば「まずオンラインの個別レッスンで基礎を学び、自信がついてから養成所の入所審査を受ける」「通信講座で学びながら、並行してオーディションにも応募する」といった組み合わせも十分に考えられます。

上の記事では、事務所附属の養成所からオンラインスクール・単発プラットフォームまで10サービスを横断して比較しています。この記事では、ルート選びと契約時の注意点に重点を置いて整理します。

声優になるための費用の目安

費用は、学ぶ場所によって大きく差があります。公式サイトで確認できた金額を、いくつか並べてみます(いずれも2026年10月時点の公式サイトの案内で、税込・税別の扱いや内訳は各校の募集要項で確認が必要です)。

  • 事務所附属の養成所(青二塾):入塾金220,000円、前期・後期の受講料が各440,000円で、年間合計は1,100,000円
  • 養成所の週1回クラス(日ナレ):年間の料金として、4月生242,000円、7月生・10月生187,000円と案内(公式のコース紹介より)
  • 民間スクールの夜間・週末コース(ヒューマンアカデミー):6か月コースで入学金31,500円と受講料315,000円〜、12か月コースで入学金31,500円と受講料609,000円〜
  • 通信講座(ヒューマンアカデミー通信講座):194,400円(税込)、標準学習期間10か月
  • オンラインのマンツーマンレッスン(Voice Camp):入会金9,800円に加え、月1回で月額6,500円、月4回で月額22,000円

こうして並べると、同じ「声優を目指す」でも、年間にかかる金額は数万円から100万円超まで幅広いことが分かります。ただし、金額が高いほど声優になれる確率が上がるわけではありません。大切なのは、料金の中に何が含まれているのか(授業料だけか、教材費や設備費、オーディションの参加費まで含むのか)を確認し、総額で判断することです。専門学校の学費や、養成所を修了した後に必要になりうる費用(ボイスサンプルの制作、プロフィール用の写真など)は、各校・各事務所の案内を見ないと分かりません。

見積もりを取るときは、「入学時に一括で払う金額」「月々の支払い」「途中でやめたときの扱い」の3点を、書面やメールで確認しておくと安心です。ヒューマンアカデミー通信講座のように分割払いの例を公式サイトで案内しているサービスもあるので、支払い方法も比較ポイントに入れましょう。

声優の養成所・スクール・オンライン講座の選び方5つのポイント

複数の候補を比べるときは、次の5点を軸にすると絞り込みやすくなります。

  1. 目的がプロデビューか、趣味・副業・スキルアップか(目的によって、事務所につながる養成所が向くのか、気軽なオンラインレッスンで足りるのかが変わる)
  2. オーディションの「参加権」と「所属の保証」を区別して確認する(オーディションを受けられることと、受かって所属できることは別の話)
  3. 入学金・授業料・教材費を含めた総額と、支払い方法(一括か分割か、途中解約の条件はどうなっているか)
  4. 通学かオンラインか、レッスン頻度や時間帯(仕事や学業との両立ができるか、通学圏に校舎があるか)
  5. 契約書面で、解約・返金・追加費用の条件を確認できるか(口頭の説明だけで契約しない)

とくに2つ目は見落とされがちです。たとえばアミューズメントメディア総合学院の声優オンライン専科は、公式サイトで「半期に一度のプロダクションオーディション受験資格審査」を案内していますが、これはあくまで「受験資格の審査」であり、受かる保証とは別のものです。「オーディションが受けられる」という言葉を、「事務所に入れる」という意味で受け取らないよう、冷静に読みましょう。

声優養成所・スクール・オンライン講座 比較表

公式サイトで確認できた7つのサービスを、種別・形式・費用・オーディション面の案内で一覧にしました。「要確認」とある項目は、公式サイトの該当ページで金額や条件を確認できなかったものです。

スクロールできます
種別・形式費用の目安期間・頻度オーディション・所属面
日本ナレーション演技研究所(日ナレ)養成所・通学週1回クラスは年間187,000〜242,000円年間(週1回・週2回クラス)入所審査は筆記・面接。所属制度は公式サイトで明記なし
青二塾事務所附属の養成所・通学(東京・大阪)年間1,100,000円(入塾金含む)前期・後期の年間課程所属・預かりの仕組みは公式の入塾案内に記載なし
アミューズメントメディア総合学院(AMG)専門学校・オンライン専科あり要確認(公式ページに金額記載なし)声優学科は2年制、専科は6か月〜オンライン専科は半期に一度のプロダクションオーディション受験資格審査
ヒューマンアカデミー夜間・週末講座民間スクール・通学(渋谷校)入学金31,500円+受講料315,000円〜(6か月)6か月・12か月半年ごとに全員参加型オーディション、30社以上が参加
ヒューマンアカデミー通信講座通信講座(DVD・テキスト・eラーニング)194,400円(税込)標準学習期間10か月成績優秀者は東京でのドラフトオーディション参加権
Voice Camp完全オンライン・マンツーマン入会金9,800円+月額6,500円〜1回50分、月1〜6回公式の案内では所属保証の記載なし(レッスン中心)
SPOTオンライン・マンツーマン143,000円(税込・基礎コース40回分+システム利用料・教材費の一括)基礎コースは40回分受講生は4社合同(年1回)のオーディションへの参加権利を獲得(公式の表記)

声優になるための養成所・スクール・オンライン講座7選

ここからは、公式サイトで講座の存在と内容を確認できた7つを、「事務所・専門学校系」「社会人向けの民間スクール」「自宅で学べる通信・オンライン」の順に紹介します。掲載順は優劣ではありません。

1. 日本ナレーション演技研究所(日ナレ)

日本ナレーション演技研究所の公式サイト

通学で本格的に声優・ナレーターを学びたい人が検討する老舗の養成所です。公式サイトでは、週1回クラス、週2回クラス、ナレーターセミナー、小学5年生〜中学3年生向けのジュニア声優クラスなどのコースを案内しています。週1回クラスは年間の課程で、4月生が242,000円、7月生・10月生が187,000円と、公式のコース紹介に記載されています。対象は中学卒業以上35歳までで、ジュニア声優クラスは月額7,700円です。

入所にあたっては、無料の入所審査(筆記・面接)があります。公式サイトには、卒業生がアイムエンタープライズやアーツビジョンなどに所属しているとの記載がありますが、養成所を修了すれば所属できるといった制度としての記載は見当たりませんでした。入所後にどんな審査や機会があるかは、資料請求や無料体験レッスンの場で確認するのが確実です。公式トップでは、代々木・名古屋・難波などの校舎での無料体験レッスンの日程も案内されていました。

種別・形式声優養成所・通学
費用の目安週1回クラス:年間187,000〜242,000円(入所月による)。ジュニア声優クラスは月額7,700円
対象中学卒業以上35歳まで(ジュニアは小学5年生〜中学3年生)
入所審査筆記・面接(無料)

2. 青二塾

青二塾の公式サイト

青二プロダクション附属の俳優養成所で、声優を「俳優」として育てる方針を前面に出しているのが青二塾です。公式サイトの入塾案内によると、現在は第48期生の出願を2026年8月1日から11月30日まで受け付けており、入塾日は2027年4月11日、開講は4月12日です。通学型で、東京校と大阪校があります。

学費は、入塾金220,000円、前期受講料440,000円、後期受講料440,000円で、年間合計が1,100,000円と案内されています。応募資格は高校卒業以上(2027年3月に卒業見込みの高校3年生も可)で、定員は60名(30名×2クラス)です。選考は、一次が願書・作文と作文の音読データの審査、二次がセリフ・ナレーション・歌唱と面接という流れです。事務所附属ではあるものの、所属・預かりの仕組みについては公式の入塾案内に記載がありませんでした。気になる人は、説明会や資料請求で直接確認してみてください。

種別・形式事務所附属の俳優養成所・通学(東京校・大阪校)
費用の目安年間1,100,000円(入塾金220,000円+前期・後期各440,000円)
応募資格高校卒業以上(2027年3月卒業見込みの高校3年生も可)
選考一次:願書・作文・音読データ/二次:セリフ・ナレーション・歌唱と面接

3. アミューズメントメディア総合学院(AMG)

アミューズメントメディア総合学院 声優オンライン専科の公式サイト

専門学校の課程から、オンラインでの受講まで選べるのがアミューズメントメディア総合学院です。公式サイトでは、昼間部2年制の「声優学科」(声優演劇専攻・声優アーティスト専攻)、夜間・日曜に通う「声優専科」(6か月〜、東京・大阪)、そして自宅から受講できる「声優オンライン専科」を案内しています。

オンライン専科は、ZOOMを使ってスマホ・タブレット・PCからレッスンを受ける形式で、公式ページには「全国どこからでも、年齢問わず受講可能」「週1から少人数制」といった案内があります。特徴的なのは、半期に一度のプロダクションオーディションの受験資格審査があることです。公式サイトによれば、オーディションは1日1社に集中して臨む形で、複数社が同時に参加する合同オーディションは行わないとのことです。ただし、受講料などの金額は紹介ページには載っておらず、募集要項で確認する必要があります。2026年11月期の申込締切は11月6日(金)と公式ページに案内されています(公開から数日のため、次の期以降は公式サイトで確認してください)。

種別・形式専門学校(声優学科は昼間部2年制)・声優専科・声優オンライン専科
費用の目安要確認(紹介ページに金額記載なし。募集要項で確認)
オンライン専科ZOOMでの受講。半期に一度のプロダクションオーディション受験資格審査あり
対象オンライン専科は全国どこからでも・年齢問わず受講可能(公式ページの案内)

4. ヒューマンアカデミー 夜間・週末講座「声優・タレントプロデビューコース」

ヒューマンアカデミー夜間部 声優・タレントプロデビューコースの公式ページ

すでに基礎を学んだ人が、オーディションを意識して実践力を磨く段階で検討しやすいのが、このコースです。公式ページによると、外部の養成機関や専門学校を卒業した人、または在籍している人を対象にしたクラスで、6か月コース(入学金31,500円、受講料315,000円〜)と12か月コース(入学金31,500円、受講料609,000円〜)があります。期間は校舎によって異なるとされており、開講校舎として渋谷校が案内されています。

特徴は、6か月ごとに実施されるオーディションです。公式ページには、大手芸能プロダクション30社以上が参加する全員参加型のオーディションとあり、プロダクションに合格した卒業生を対象にマネジメントサポート制度があると記載されています(合格が前提で、所属を保証するものではありません)。平日・土日・夜間に通えるため、大学や短大、他の養成機関とのWスクールも可能とのことです。通常の入門コースではなく、ある程度の経験者向けの位置づけなので、初心者は自分の段階に合うかどうかを問い合わせで確認するのがよいでしょう。なお、この夜間・週末講座は、記事内の通信講座とは別の窓口で、公式サイトへの直接リンクで紹介しています。

種別・形式民間スクールの夜間・週末講座・通学(渋谷校)
費用の目安6か月:入学金31,500円+受講料315,000円〜/12か月:入学金31,500円+受講料609,000円〜
対象外部の養成機関・専門学校の卒業者または在籍者(公式ページの記載)
オーディション6か月ごとに実施、大手芸能プロダクション30社以上が参加

5. ヒューマンアカデミー通信講座「声優通信講座」

ヒューマンアカデミー通信講座 声優通信講座の公式サイト

通学が難しい人が、自宅で基礎から学ぶ選択肢として挙がるのが、ヒューマンアカデミー通信講座の声優通信講座です。公式ページでは、受講料194,400円(税込)、標準学習期間10か月と案内されています。教材は、DVD11枚、メインテキスト3冊、ボイスレコーダー1台、eラーニングの講義動画などで、声優デビューを目指す人や、声を使った仕事の基礎を身につけたい人が対象です。

公式ページには、成績優秀者には東京で行われるドラフトオーディションへの参加権が与えられるとの記載があります。分割払いの例(初回7,416円、その後月々6,100円×35回)も案内されていて、まとまった金額を一度に払うのが難しい人は、支払い方法の面でも比較しやすい講座です。通信講座は自分のペースで進められる一方、対面ほど細かく講師に直してもらえるわけではないため、「基礎を固める場」と割り切って使うと失敗しにくくなります。

種別・形式通信講座(DVD・テキスト・eラーニング)
費用の目安194,400円(税込)。分割払いの例も公式ページに案内
標準学習期間10か月
オーディション成績優秀者は東京でのドラフトオーディション参加権

6. Voice Camp(ボイスキャンプ)

Voice Campの公式サイト

まずは費用を抑えて、自宅で声優レッスンを試したい人に向いているのが、完全オンラインのマンツーマンスクール「Voice Camp」です。公式サイトでは、1回50分のビデオ通話レッスンを、パソコン・スマホ・タブレットのいずれかで受講できると案内しています。料金は入会金9,800円に加えて、月1回プランが6,500円、月2回プランが12,100円、月4回プランが22,000円、月6回プランが29,700円です。

コースは声優レッスンのほか、ボーカル、演技、朗読、宅録・ナレーター、プロ声優養成、ビジネススピーチなど幅広く、講師は「採用率5%以下」とうたわれています。無料体験レッスンの申し込みもできます。公式サイトの範囲では、オーディション導線や事務所所属の保証についての記載は確認できませんでした。そのため、基礎力を養う場として使うのか、別の養成所と組み合わせるのか、使い方を決めておくとよいでしょう。話し方やナレーションを仕事にも生かしたい人は、後述の関連記事も参考になります。

種別・形式完全オンライン・マンツーマン(1回50分)
費用の目安入会金9,800円+月額6,500円(月1回)〜29,700円(月6回)
コース声優レッスン・ボーカル・演技・朗読・宅録・ナレーター・ビジネススピーチなど
特徴無料体験レッスンあり。講師は採用率5%以下とうたう

7. SPOT

SPOT声優オンラインレッスンの公式サイト

オンラインでの個別指導に、オーディションの機会をつなげたい人が検討するのがSPOTです。公式サイトでは、現役の声優によるマンツーマンのオンラインレッスンで、講師はすべてプロダクション所属の経験豊かな声優だと案内しています。声優の基礎トレーニング、滑舌・発声、ボイストレーニング、アフレコ体験などを学べる基礎コースは40回分で、受講生は声優プロダクション4社が共同で運営する4社合同(年1回)のオーディションへの参加権利を獲得できると案内されています(参加権利であり、合格や所属を保証するものではありません)。

世界中どこからでも受講でき、小学生から社会人まで年齢制限はありません(未成年は保護者の同意が必要)。無料体験レッスンや無料説明会(ZOOM)も実施しています。支払い方法はクレジットカード、銀行振込、コンビニ決済に対応しています。料金は、基礎コース(40回分)のレッスン料・システム利用料・教材費を一括で支払う形で、公式の料金ページには費用一式が税込143,000円(レッスン110,000円+システム利用料22,000円+教材費11,000円)と掲載されています(2026年10月確認)。申込前に最新の料金を公式サイトで確認してください。

種別・形式オンライン・マンツーマン
費用の目安143,000円(税込・基礎コース40回分+システム利用料・教材費の一括)
対象小学生〜社会人、年齢制限なし(未成年は保護者の同意が必要)
オーディション受講生は4社合同(年1回)のオーディションへの参加権利を獲得(公式の表記)

通学とオンライン、どちらが向いている?

通学とオンラインは、どちらが優れているというより、得意なことが違います。通学の養成所や専門学校は、スタジオでマイクの前に立つ体験、舞台や芝居の稽古、同じ志を持つ仲間との出会い、学内の審査やオーディションといった「場」の力が大きいのが魅力です。声優の仕事は、現場の空気の中で声を出す機会が多いため、早い段階から対面で学ぶことの価値は確かにあります。

一方のオンラインは、地方在住の人や、仕事・育児で時間が限られる人でも始められる気軽さと、月数千円から試せる費用面の手軽さが強みです。録音の音質や通信環境を自分で整える必要はありますが、スマホ1台でも基礎練習は始められます。さらに、SPOTやAMGのオンライン専科のように、オンラインでもオーディションにつながる導線を用意しているサービスもあります。

迷ったときの目安は、次のとおりです。「毎週決まった時間に通える」「プロを強く意識している」なら通学型、「まず声優の基礎を体験したい」「通える範囲に校舎がない」「費用を抑えたい」ならオンライン型、と考えると選びやすくなります。いきなり高額な契約をするのではなく、無料体験・説明会・資料請求を複数のスクールで受けてから決めるのが、遠回りを避けるうえで有効です。

上の記事では、歌・発声の基礎を整えるオンラインボイストレーニングのスクールを比較しています。声優の基礎練習に近い発声・ブレスの練習から始めたい人は、あわせて読んでみてください。

養成所に入ってから所属・預かりまでの一般的な流れ

養成所や事務所附属のスクールでは、おおむね次のような段階を踏むのが一般的です。ただし、年数・審査の内容・事務所との関係は学校ごとに大きく異なります。

  1. 入所審査を受ける(日ナレは筆記・面接、青二塾は願書・作文・音読データによる一次審査と、セリフ・ナレーション・歌唱と面接による二次審査)
  2. 基礎のクラスで発声・滑舌・演技を学ぶ(1年目は基礎、その後に本科・研修科へ進む形が多い)
  3. 進級・修了の審査を受ける(審査に通らないと次のクラスに進めない学校もある)
  4. プロダクションのオーディションを受ける(学内オーディション、系列事務所のオーディション、外部事務所が参加する審査など)
  5. 合格すると「預かり」や「所属」の扱いになる(扱いは事務所ごとに異なる)

ここで出てくる「預かり」は、事務所が正式な所属の前に、一定期間所属候補として育成・様子見をする扱いを指す言葉として使われることが多い用語です。預かり中の契約内容、費用の負担、所属に切り替わる条件は事務所ごとに違うため、一般論では語れません。オーディションに合格したと言われたときは、その場で契約せず、「所属なのか預かりなのか」「費用負担は誰が何を払うのか」「いつ・どんな条件で見直されるのか」を書面で確認することが大切です。

なお、養成所を出ても全員が事務所に所属できるわけではありません。公式サイトには卒業生の所属先が紹介されていますが、それは入所者全体の数字ではなく、成功例が前面に出やすいことは頭に入れておきましょう。

声優に向いている人・向いていない人、そして現実的な競争

向いているのは、自分の声や演技を録音して聞き直し、直す作業を苦にしない人、台本を読み込んで役の気持ちを想像するのが好きな人、そして結果が出るまで時間がかかっても学び続けられる人です。声の良し悪しよりも、基礎練習を毎日続けられる習慣が土台になります。

一方で、「声優に憧れているから」「アニメが好きだから」という気持ちだけで高額な契約をすると、後悔しやすくなります。声優は、スクールを修了しても仕事が約束されるわけではなく、オーディションを重ねて役を勝ち取っていく仕事です。市場が拡大している(後述の【豆知識】参照)ことと、個人が安定して収入を得られることは別問題です。そのため、本業や学業を続けながら学べるオンラインや夜間コースで、まず適性を確かめるやり方にも十分な合理性があります。

上の記事では、話し方・スピーチ講座を比較しています。ナレーションや朗読など、声を使った仕事の基礎になる話し方の技術を伸ばしたい人の参考になります。

オーディション商法・高額契約に注意!国民生活センターの注意喚起

夢を追う気持ちにつけ込んだトラブルは、実際に起きています。国民生活センターは2023年12月12日に「【20代要注意!】タレント・モデル契約のトラブル」を公表し、オーディションに合格したと言われて高額な契約を結んでしまった事例を紹介しています。声優そのものを対象とした公表ではありませんが、芸能・オーディション関連の契約として、声優を目指す人にも当てはまる内容です。

公表されている相談事例は、たとえば次のようなものです。

  • インターネットでオーディションの広告を見て面接を受けたところ、「合格した」と連絡があり、その場で初期費用約10万円と毎月約3万円の所属費、さらにレッスン料がかかると説明された。契約を迷っていると「今契約しなければチャンスはない」と言われた
  • 役者募集サイトに応募して面接に行くと、年会費約5万円の登録を勧められ、その後「確実に仕事ができる」と約60万円の業務提携契約を分割で結ばされた。解約を申し出ると、40%の違約金を請求された

こうした事例を踏まえ、国民生活センターは、トラブルを防ぐポイントとして、おおむね次の点を挙げています。

  1. 夢につけ込む勧誘トークに注意する(「合格」の言葉で判断力が鈍る。レッスンを受けても必ず仕事につながるわけではない)
  2. その場で契約せず、活動内容・サポート体制・費用の内訳を確認する(不意打ちの契約や、当初の話と違う勧誘はきっぱり断る)
  3. 不安になったら、早めに消費生活センター等(消費者ホットライン「188」)に相談する

この記事で紹介した養成所・スクールが問題だと言っているわけではありません。ただ、どんなサービスでも、契約前に総額・解約条件・返金条件を書面で確認し、その場で決めずに持ち帰る姿勢は共通して大切です。「今日だけの特別価格」「今契約しないと枠がなくなる」といった急かし方をされたら、いったん立ち止まりましょう。家族や友人に相談できる状態で判断することも、後悔しないための防波堤になります。

独学だけで声優になることはできる?

結論から言えば、発声や滑舌、演技の基礎を独学で身につけることはできますが、プロの声優としてデビューするには、独学だけでは難しいと言わざるを得ません。理由は、声優の仕事がオーディションを通じて事務所に所属し、そこから仕事を紹介してもらう仕組みで成り立っているためです。養成所やスクールに通う意味の大きな部分は、演技力を鍛えることに加えて、オーディションの機会を得ることにあります。

とはいえ、入所前に独学で基礎を固めておけば、限られたレッスン時間を実践的な指導に使えます。次の3ステップから始めてみてください。

  1. 滑舌・発声のトレーニングを毎日続ける(早口言葉や腹式呼吸は、自宅で道具なしに続けられる)
  2. 好きな作品のセリフを声に出して演じる(場面の感情を真似るだけでも表現の引き出しが増える)
  3. 自分の声を録音して聞き直す(スマホの録音機能で十分。クセを把握する)

発声練習の本や、演技・朗読の参考書は、次のバナーから探してみてください。

楽天ブックス

独学で基礎を固めたうえで、養成所で実践を積むのか、オンラインで低コストに試すのかを、自分の目的と予算で決めるのが現実的な進め方です。声優以外にも、アニメ・エンタメの周辺には、絵を描く、動画を作るといった関わり方もあります。絵に興味がある人は、イラスト講座の記事も参考にしてください。

よくある質問

Q. 声優養成所に入るのに年齢制限はありますか?

A. 養成所によって異なります。日ナレは中学卒業以上35歳まで(ジュニア声優クラスは小学5年生〜中学3年生)、青二塾は高校卒業以上が応募資格です。一方、SPOTは年齢制限なし(未成年は保護者の同意が必要)、AMGの声優オンライン専科も「年齢問わず受講可能」と案内しています。応募前に最新の募集要項を確認してください。

Q. オンライン講座だけで声優になれますか?

A. オンライン講座だけで基礎を学ぶことはできますが、プロになるにはオーディションに通って事務所に所属する必要があります。オンラインで学べる講座にもオーディション参加の機会を設けているものがありますが、参加権は所属の保証ではありません。公式サイトの記載をよく確認しましょう。

Q. 声優の養成所の費用は、年間でどれくらいかかりますか?

A. 本記事で確認した範囲では、日ナレの週1回クラスが年間187,000〜242,000円、青二塾が年間1,100,000円(入塾金含む)と、大きな幅があります。専門学校の学費や、修了後に必要になる費用は別途かかるため、総額は募集要項や資料請求で確認してください。

Q. 社会人や学生でも通えますか?

A. 夜間・週末のコース、通信講座、オンラインレッスンなら、仕事や学業と両立しやすいです。ヒューマンアカデミーの夜間・週末講座は、平日・土日・夜間に通え、他の養成機関とのWスクールも可能と案内されています。通学が難しい場合は、通信講座やオンラインのマンツーマンレッスンから始める方法もあります。

Q. オーディションに合格したら、その場で契約してもいいですか?

A. その場での契約は避けましょう。国民生活センターは、「合格」の言葉で判断力が鈍ることに注意を促し、活動内容・サポート体制・費用の内訳を確認し、不安な場合は消費者ホットライン「188」に相談するよう呼びかけています。

【豆知識】声優の仕事を支えるアニメ産業の市場規模

声優の主な活躍の場のひとつであるアニメ産業は、公的・業界団体の数字では拡大が続いています。一般社団法人日本動画協会が2025年10月30日に公表した「アニメ産業レポート2025」の速報値では、次のとおりです。

  • 2024年のアニメ産業市場(広義)は3兆8,407億円(前年比114.8%)で、過去最高を更新
  • 内訳は、国内市場が1兆6,705億円(前年比102.8%)、海外市場が2兆1,702億円(前年比126.0%)で、海外市場の伸びが全体を押し上げている
  • アニメ制作会社の売上にあたる狭義の市場は4,662億円(前年比109.1%)

一方、声優という職業の就業者数や平均収入を示す公的な統計は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。市場が広がっていても、そのまま個人の収入や、デビューのしやすさが増えるとは限らない点は、冷静に受け止めたいところです。

上記は日本動画協会による推計であり、今後の動向や個人の収入・デビューの可能性を保証するものではありません。最新の数字は公式発表でご確認ください。出典:一般社団法人日本動画協会「2024年のアニメ産業市場規模 速報値 発表」(2025年10月30日公表、同協会公式サイト)。

まとめ

声優を目指すときの選び方の軸は、「オーディションにつながる導線があるか」「総額で払える費用か」「無理なく続けられる形式か」の3つです。プロを強く意識するなら、青二塾や日ナレのような養成所、AMGのような専門学校、半年ごとのオーディションがあるヒューマンアカデミーの夜間・週末講座が候補になります。まず基礎や適性を確かめたいなら、ヒューマンアカデミー通信講座、Voice Camp、SPOT、AMGのオンライン専科のように、自宅で始められる選択肢が向いています。

理由は、声優の世界が競争の激しいオーディション中心の仕組みで、学び方によってかかる費用も、事務所との距離も大きく変わるためです。そして、どの道を選ぶ場合でも、契約前に総額・解約条件・返金条件を書面で確認し、その場で決めない姿勢が欠かせません。まずは気になる2〜3か所の公式サイトで最新の募集要項と料金を確認し、無料体験や資料請求を通して、自分に合う学び方を比べてみてください。

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この記事を書いた人

教育事業の運営に長く携わってきた経験から、学びや資格の「選び方」を比較記事でお伝えしています。各分野の専門家として指導する立場ではなく、公式サイトなどの一次情報を確認し、料金・サポート・実績を読者の目線で整理することを大切にしています。記事にはアフィリエイト広告を含みますが、掲載の可否や順位づけは、読者にとっての分かりやすさを優先して判断しています。料金や日程は変更されることがあるため、お申込み前に必ず公式サイトでご確認ください。

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