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工場の省エネ担当を任された、設備管理の仕事でステップアップしたい、製造業の現場で「エネルギー管理士を取っておくと良い」と言われた。エネルギー管理士は、そうした場面で名前が挙がる国家資格です。ただし、通信講座を修了しても免状は取れません。免状を手にするには、国家試験に合格するか、エネルギー管理研修を修了するかの2つのルートがあり、どちらにも「エネルギーの使用の合理化に関する実務経験」が関わってきます。
調べ始めると、「エネルギー管理士試験」「エネルギー管理研修」「エネルギー管理講習」と似た名前の制度が並び、電気分野・熱分野の選択、受験資格、実務経験の扱いなどが入り組んでいて混乱しやすい分野です。この記事では、省エネルギーセンター(ECCJ)の令和8年度の公式案内、経済産業省の公表資料、各社の公式サイトで内容を確認できた情報だけを使って、仕組みと選び方、対策講座の違いを整理しました。
最初に、押さえておきたい要点は次の3つです。
- 免状の取得ルートは「試験合格」か「研修修了」の2つ(試験は受験資格の制限なし、研修は3年以上のエネルギー管理の実務経験が前提)
- 電気分野と熱分野のどちらで取っても、免状は同じエネルギー管理士(免状に分野の区別はなく、取り直しも不要)
- 通信講座は「受験対策の教材・講義」であり、免状の交付条件ではない(免状の申請には、合格の前後を問わず1年以上の実務従事の証明が必要)
なお、この記事は順位づけやおすすめの断定をするものではありません。紹介する講座は掲載順に優劣はなく、公式サイトで確認できた内容(提供形式・料金・期間・サポート)を並べています。試験日程や料金は年度ごとに変わるため、申込前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
エネルギー管理士を取れる方法と受験対策の選択肢を一覧で比較
取得ルートと対策の選択肢を、まず一覧にまとめました。料金・日程は、2026年10月28日時点で各公式サイトに掲載されていた内容です(税込・非課税の別は表のとおり)。
| 区分 | 形式 | 費用 | 期間・日程 | 向いている人 | |
| エネルギー管理士試験(ECCJ) | 筆記試験(マークシート)・全国10都道府県 | 受験手数料17,000円(非課税) | 令和8年度(第48回)は8月2日に実施済み(申込は4月6日〜6月22日で受付終了)。令和9年度の日程は未公表 | 実務経験の有無を問わず受験したい人 | |
| エネルギー管理研修(ECCJ) | オンライン講義+会場での修了試験 | 受講料70,000円(非課税) | 令和8年度(第49回)は講義視聴9月16日〜12月4日・修了試験12月13日(仮申込・書類提出は受付終了) | 3年以上のエネルギー管理の実務経験がある人 | |
| エネルギー管理講習 新規講習(ECCJ) | オンデマンド(集合講習もあり) | 受講料15,600円(非課税) | 上期・下期の年2回(下期の申込は11月13日まで。期限後は令和9年度の案内を確認) | エネルギー管理企画推進者・管理員として選任される人(免状とは別制度) | |
| エネ管WEB講座(ECCJ) | オンデマンド配信(期間限定) | 1講座13,530円(税込・一般) | 令和8年度は5月15日〜8月2日に配信(終了) | 試験の総仕上げ・苦手課目の補強をしたい人 | |
| JTEX 受験講座(熱分野・電気分野) | 通信教育(テキスト+記述式レポート) | 一般受講料38,500円(税込) | 受講期間6ヵ月 | テキストを読み進める通信教育で基礎から学びたい人 | |
| SAT エネルギー管理士講座(アガルートでも販売) | eラーニング・DVD・両方セット | 熱分野38,280円〜60,280円/電気分野58,080円〜74,580円(税込) | 教材は年度版ごとに改訂(視聴期限は版ごとに異なる) | 映像講義と質問サポートで進めたい人 |
エネルギー管理士とは?どんな事業者で必要になる資格か
エネルギー管理士は、工場などでエネルギーを無駄なく使うための管理を担う国家資格です。根拠となる法律は「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(省エネ法)で、一定量以上のエネルギーを使う工場・事業場は「エネルギー管理指定工場等」に指定され、種類に応じて管理者の選任が義務づけられています。
ECCJの令和8年度の案内書によると、年度のエネルギー使用量(原油換算)が事業者全体で1,500kL以上の事業者は「特定事業者」として指定され、さらに工場・事業場単位で3,000kL以上なら「第一種」、1,500kL以上3,000kL未満なら「第二種」のエネルギー管理指定工場等になります。どの区分でどんな人を選任するのかを、表にまとめました。
| 指定区分 | 年度のエネルギー使用量(原油換算) | 対象業種 | 選任するもの | 選任できる人 | 選任数 |
| 第一種エネルギー管理指定工場等 | 3,000kL以上 | 製造業等5業種(鉱業・製造業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業。事務所を除く) | エネルギー管理者 | エネルギー管理士のみ | 1〜4人(使用量により異なる) |
| 第一種エネルギー管理指定工場等 | 3,000kL以上 | 上記以外の業種(オフィスビル・ホテル・学校・病院・官公庁など) | エネルギー管理員 | エネルギー管理士または新規講習の修了者 | 工場ごとに1人 |
| 第二種エネルギー管理指定工場等 | 1,500kL以上3,000kL未満 | 全ての業種 | エネルギー管理員 | エネルギー管理士または新規講習の修了者 | 工場ごとに1人 |
表のとおり、エネルギー管理士の免状が必須になるのは、製造業などの第一種エネルギー管理指定工場等で選任される「エネルギー管理者」です。エネルギー管理員のほうは、後述するエネルギー管理講習の新規講習を修了した人でも務められます。つまり「自分の勤務先がどの区分に当たるのか」によって、必要な資格が変わります。区分は事業者や事業所が国に届け出て指定されるもので、勤務先の総務・設備管理部門が把握していることが多いため、まずは社内で確認するのが近道です。
どのくらいの事業者が省エネ法の対象になっているかも、公的な数字で確認できます。経済産業省が2025年11月4日に公表した資料では、エネルギー使用量が年間1,500kL以上の特定事業者等は約1.2万者とされ、日本の最終エネルギー消費のうち産業部門の約8割、業務他部門の約6割をカバーすると説明されています。
エネルギー管理者の主な仕事は、エネルギーを消費する設備の維持、使用方法の改善、監視などの管理業務です。設備に直接触れる保守担当だけでなく、設備の運用計画や省エネ施策を考える立場の人にも関係する資格だといえます。
エネルギー管理士になる2つのルート|試験と研修(認定教育)の違い
エネルギー管理士免状を取得する方法は、ECCJの案内で次の2つと示されています。ひとつはエネルギー管理士試験に合格する方法、もうひとつはエネルギー管理研修を修了し、経済産業大臣の認定を受ける方法です。研修で得られる資格は、国家資格と同等のものとされ、交付される免状も同じ省エネ法第55条のエネルギー管理士免状です。
| 比較項目 | エネルギー管理士試験 | エネルギー管理研修(認定教育) |
| 受験・受講の資格 | 制限なし(誰でも受験できる) | 3年以上の十分なエネルギー管理の実務経験が前提。実務従事証明書による資格審査がある |
| 内容 | 筆記試験(マークシート)。選んだ分野の4課目を受験 | オンラインの講義視聴(約33時間25分)と、会場での修了試験 |
| 費用 | 受験手数料17,000円(非課税) | 受講料70,000円(非課税)。前年度の課目合格者が不合格課目のみ受ける場合は50,000円 |
| 令和8年度の日程 | 試験日8月2日(日) | 講義視聴9月16日〜12月4日、修了試験12月13日(日) |
| 免状交付の申請 | 合格後、1年以上の実務従事を証する「エネルギー使用合理化実務従事証明書」を提出(実務の時期は合格の前後を問わない) | 修了後、資源エネルギー庁に認定申請書を提出して交付 |
| 課目合格の扱い | 合格した課目は、その年の初めから3年以内の同一分野の受験で免除 | 修了試験の一部課目に合格した場合、翌年度に限り免除 |
いちばん大きな違いは、受け入れの条件です。試験は誰でも受けられるぶん、合格後に1年以上の実務従事を証明できれば免状を申請できます。研修は、すでに実務経験を積んでいる人向けの制度で、講義と修了試験の流れで進みます。ECCJの案内でも、研修は「工学的な計算を伴う専門知識」と「エネルギー管理の実績」を持つ人が前提とされています。
もうひとつ覚えておきたいのは、免状の交付は1回限りという点です。研修を修了して免状を受け取った人が、あとから試験に合格しても新しい免状は交付されません。また、試験で合格した課目は研修の免除対象にならず、研修で合格した課目も試験では免除されません。2つの制度は別物として扱われます。
「エネルギー管理講習」は別の制度(免状は取れない)
名前が似ているため混同されやすいのが、エネルギー管理講習です。これは免状を取る手段ではなく、エネルギー管理企画推進者・エネルギー管理員として選任されるための法定講習です。ECCJの令和8年度の申込案内書では、新規講習の受講料は15,600円(非課税)、課目は「エネルギー総合管理に関する基礎知識及び法規」「エネルギー管理の手法」「エネルギー管理の実務」の3つで、初めて受講する人なら資格・実務経験の有無を問わず受講できるとされています。
一方、この講習の修了者が務められるのは第二種の工場などのエネルギー管理員や、事業者全体のエネルギー管理企画推進者で、第一種エネルギー管理指定工場等(製造業等5業種)のエネルギー管理者には、エネルギー管理士の免状が必要です。「講習を受ければエネルギー管理士になれる」わけではない点に注意してください。案内書には、エネルギー管理士の学び直しや試験対策(法規)にも向く講習として紹介されていますが、受験資格や課目免除には結びつきません。
電気分野と熱分野の違い|試験科目と選び方
試験は、「必須基礎区分+熱分野専門区分」と「必須基礎区分+電気分野専門区分」の2つの分野から、どちらかを選んで受験します。選んだ分野の4課目を同じ回で受け、全課目で配点の60%以上を取れば合格です。令和8年度(第48回)の課目は次のとおりです。
| 課目 | 熱分野を選ぶ場合 | 電気分野を選ぶ場合 |
| 課目Ⅰ(共通) | エネルギー総合管理及び法規 | エネルギー総合管理及び法規 |
| 課目Ⅱ | 熱と流体の流れの基礎(熱力学の基礎・流体工学の基礎・伝熱工学の基礎) | 電気の基礎(電気及び電子理論・自動制御及び情報処理・電気計測) |
| 課目Ⅲ | 燃料と燃焼(燃料及び燃焼管理・燃焼計算) | 電気設備及び機器(工場配電・電子機器) |
| 課目Ⅳ | 熱利用設備及びその管理(計測及び制御・ボイラ等・熱交換器・冷凍・空気調和設備・工業炉など。一部は4問中2問を選択) | 電力応用(電動力応用・電気加熱・電気化学・照明・空気調和。一部は4問中2問を選択) |
課目Ⅰは両分野共通で、省エネ法などの法令を含みます。この法令は、令和8年4月1日時点で施行されているものが対象と案内されています。法規は見直しが入ることがあるため、古い参考書をそのまま使う場合は、最新の改正内容を別に確認したいところです。
どちらの分野を選ぶかは、仕事で触れている設備や、これまでの学習経験で決めるのが現実的です。熱分野は、ボイラ・蒸気・熱交換器・冷凍空調・工業炉といった熱を扱う設備や、燃料・燃焼の知識が中心になります。電気分野は、工場配電・電動機・電気加熱・照明・電気計測など、電気設備や電力利用の知識が中心です。電気系の学習経験や、電気主任技術者の学習経験がある人は電気分野に入りやすく、機械・化学・プラントの現場にいる人は熱分野のほうが実務の知識を活かしやすい、という考え方ができます。電気主任技術者(電験三種)の取り方は、次の記事で比較しています。

ボイラーや蒸気設備の資格を取ったことがあり、その延長で熱分野の学習に入りたい人は、2級ボイラー技士の取得ルートも参考になります。

なお、ECCJの案内では、エネルギー管理士免状には熱分野・電気分野の専門区分の区別はなく、熱分野で免状を取った人が改めて電気分野を受験する必要はありません。反対も同じです。分野選びは「免状の種類を決める」ことではなく、「自分が受験する課目を決める」ことだと考えるとわかりやすいでしょう。研修でも、電気分野を選ぶ人のうち第一種・第二種電気主任技術者免状の交付を受けている人は、対象の講義を受けなくても修了試験を受けられる仕組みがあります(修了試験は全課目の受験が必要)。
エネルギー管理士試験の概要(令和8年度・第48回の実績)
試験の概要は、ECCJが公開している令和8年度の「受験の手引」で確認できます。2026年8月に実施された第48回の内容を、一覧にまとめます。令和9年度の日程や手数料は、ECCJから案内が出た段階で公式ページを確認してください。
| 試験日 | 令和8年8月2日(日) |
| 受験申込期間 | 4月6日(月)〜6月22日(月)(インターネット申込みのみ) |
| 受験手数料 | 17,000円(非課税)。旧制度の熱管理士・電気管理士の免状取得者が課目Ⅰを受ける場合は10,000円 |
| 試験地 | 北海道・宮城県・東京都・愛知県・富山県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県 |
| 受験資格 | 制限なし |
| 試験の方法 | 筆記試験(マークシート方式)。1時限80分・2時限110分・3時限110分・4時限80分で、1日で4課目を実施 |
| 合格基準 | 選択した分野の全課目で、各課目の配点の60%以上 |
| 結果の通知 | 9月下旬に官報公示と合否通知書の郵送。標準解答は試験終了後の8月4日以降にECCJのホームページに掲載 |
課目合格制度:3年以内なら合格した課目は免除
4課目すべてを一度に合格できなくても、合格基準に達した課目は「課目合格」となり、その試験が行われた年の初めから3年以内に同じ分野を受験するときは、その課目が免除されます。たとえば今年課目ⅠとⅡに合格すれば、翌年・翌々年は残りの課目に集中できる計算です。免除を受けるには、申込時に前年度・前々年度の受験番号を入力する必要があり、誤ると免除が適用されないため注意が必要です。
分野を変更した場合の扱いも公式のQ&Aに示されています。たとえば、電気分野で課目Ⅰ(必須基礎区分)だけ課目合格した人が熱分野に変えるときは、課目Ⅰを改めて受ける必要はありません。一方、すでに別の分野で試験に合格している人が別の分野を受験する場合は、課目Ⅰも含めて全課目の受験が必要になります。ルールが細かいため、分野を変える予定がある人は、申込前にECCJのQ&Aを読んでおくと安心です。
受験から免状取得までの流れ
- インターネットで受験申込み(申込期間内に受験手数料を納付。分野専門区分の変更も申込期間内に可能)
- 受験票の受け取りと内容確認(7月中旬ごろに発送。試験区分・受験地・免除課目を確認)
- 試験日に受験(写真を貼り自署した受験票を持参)
- 合否通知を受け取る(9月下旬。合格者には合格証が送られる)
- 経済産業大臣に免状交付を申請(合格証番号と、1年以上の実務従事を証する証明書が必要)
- エネルギー管理士免状を取得
実務従事の時期は「合格の前後を問わない」とされているため、合格してから実務を積んで申請することも、すでに実務経験がある人が合格後すぐに申請することも可能です。実務の範囲や証明者の書き方には細かい決まりがあり、ECCJの免状交付申請ページに専用のQ&Aがあります。
エネルギー管理研修(認定教育)の概要と、令和8年度の状況
試験とは別のルートとして、ECCJは経済産業大臣の登録を受けた研修機関としてエネルギー管理研修を実施しています。受講の対象は、3年以上の十分なエネルギー管理の実務経験があり、実務で培った知識・技術的素養を既にある程度備えた人です。仮申込のあと、実務従事証明書などの書類で受講資格の審査を受ける流れで、審査を通ってから受講料を支払います。
- 講義はオンライン方式。必須基礎区分と、選んだ分野専門区分(熱または電気)の講義を視聴し、講義の節目にある「視聴確認」をクリアしないと次へ進めない(令和8年度は集合形式の講義はなし)
- 講義の視聴時間は合計33時間25分(オリエンテーション動画を含む)
- 修了試験は会場での筆記(マークシート方式)。宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡の6会場で実施
- 受講料は70,000円(非課税)。前年度の修了試験で一部課目に合格し、不合格課目のみを受ける場合は50,000円
令和8年度(第49回)の仮申込は7月3日から9月28日まで、書類提出も10月9日で締め切られています。次の研修を考えている人は、令和9年度の案内がECCJから公表されるのを待ち、実務従事証明書の準備を早めに進めておくのが現実的です。直近の結果としては、令和7年度に実施された第48回エネルギー管理研修で、申込者1,022人・受験者973人・修了者556人と公表されています。
研修の修了試験にも課目合格制度がありますが、免除されるのは翌年度に限る点が、試験(3年)と異なります。試験と研修は制度が別のため、制度ごとのルールを混ぜないよう気をつけてください。
公式の窓口4つと、民間の対策講座2つ|公式サイトで確認できた内容
ここからは、公式サイトの講座ページ・案内ページを実際に開いて、提供形式・料金・期間を確認できたものだけを紹介します。紹介順は優劣ではなく、「免状に関わる公式の窓口」を先に、「受験対策の講座」を後にしています。公式ページで金額などを確認できなかった事業者は載せていません。
1. エネルギー管理士試験(省エネルギーセンター・令和8年度の受験の手引)

試験の申込みから合格発表までは、経済産業大臣の指定試験機関である一般財団法人省エネルギーセンターが担当しています。令和8年度の手引では、試験日・手数料・試験地・課目・合格基準・課目合格制度・電卓の取り扱い・マークシートの記入方法まで、PDF版も含めて一通り確認できます。過去の試験問題も同サイトの案内から探せるため、受験を考え始めたら最初に目を通しておきたい一次情報です。
令和8年度(第48回)の合格者発表は2026年9月17日付で公開され、新規受験者(課目免除受験者を含む)の申込者数は10,456人、受験者数は8,783人、合格者数は3,019人と掲載されています。
| 提供元 | 一般財団法人 省エネルギーセンター(経済産業大臣指定試験機関) |
| 内容 | 国家試験。熱分野・電気分野から選び、4課目を1日で受験 |
| 費用 | 受験手数料17,000円(非課税) |
| 公式サイトで確認した事項 | 試験日・申込期間・受験資格・課目・合格基準・課目合格制度・免状交付までの流れ・合格者数 |
2. エネルギー管理研修(省エネルギーセンター・第49回)

3年以上の実務経験がある人にとって、試験とは別の選択肢になるのがこの研修です。公式の手引では、講義はオンラインで24時間いつでも視聴でき(システムメンテナンス時間を除く)、修了試験は指定の日に指定の会場で受ける会場集合方式と説明されています。初回の視聴では速度調整や視聴箇所の選択ができず、2回目以降は可能になるという仕様も、公式の「講義の配信方法」に書かれています。
| 提供元 | 一般財団法人 省エネルギーセンター(経済産業大臣登録研修機関) |
| 内容 | オンライン講義(合計33時間25分)+会場での修了試験 |
| 費用 | 受講料70,000円(非課税)。前年度課目合格者の不合格課目のみの受講は50,000円 |
| 日程(令和8年度) | 講義視聴9月16日〜12月4日・修了試験12月13日。仮申込・書類提出は受付終了 |
| 公式サイトで確認した事項 | 受講資格(3年以上の実務経験)・受講料・日程・講義方式・修了試験会場・課目合格の扱い・申込の流れ |
3. エネルギー管理講習「新規講習」(省エネルギーセンター)

省エネ法の対象事業者で、エネルギー管理企画推進者やエネルギー管理員に選任される人向けの法定講習です。免状取得とは別の制度ですが、エネルギー管理士の試験勉強のうち「法規」を学び直したい人にも向く講習として、案内書で紹介されています。受講後は講習修了証が発行されます。
令和8年度の新規講習は、上期の申込が4月6日〜7月10日(受講期間6月10日〜8月31日)、下期の申込が8月14日〜11月13日(受講期間10月1日〜12月31日)です。2026年10月28日時点では下期の申込受付期間中のため、選任の必要がある人は期限に注意してください(締切は11月13日で、それ以降は令和9年度の案内を確認してください)。オンライン環境を整えられない事情がある場合に限り、東京・名古屋・大阪での集合講習も案内されています。
| 提供元 | 一般財団法人 省エネルギーセンター(指定講習機関) |
| 内容 | エネルギー管理企画推進者・エネルギー管理員向けの法定講習(新規講習)。3課目、オンデマンド方式 |
| 費用 | 受講料15,600円(非課税) |
| 公式サイトで確認した事項 | 受講料・上期/下期の申込期間・受講期間・受講対象者・過去の修了者の再申込不可の取り扱い |
4. エネ管WEB講座(省エネルギーセンター・期間限定のオンデマンド配信)

試験の運営元であるECCJ自身が提供している受験対策の講座です。公式ページでは、試験問題を分析し、重要で出題率の高いテーマを解説する、総仕上げ向けの講座と説明されています。1課目から受講できるので、苦手な課目だけを補強する使い方ができます。
注意したいのは、配信が期間限定で、令和8年度の配信は2026年5月15日〜8月2日だったことです。しかも、令和8年度の配信は熱分野の課目が中心で、案内ページには「電気分野の配信はございません」と明記されています(熱分野も「熱利用設備」は配信なし)。令和9年度に同じ形で開催されるかどうかは、公式の案内を待つ必要があります。
| 提供元 | 一般財団法人 省エネルギーセンター |
| 形式 | オンデマンド配信(パソコンでの視聴が基本。スマホ・タブレットは機能が制限される) |
| 費用 | 1講座ごとに13,530円(税込・一般)/賛助会員は11,330円 |
| 令和8年度の内容 | 共通の課目Ⅰ+熱分野の課目Ⅱ〜Ⅳの一部。電気分野の配信なし |
| 公式サイトで確認した事項 | 配信期間・受講料・実施講座の一覧・申込の流れ・視聴環境の注意 |
5. JTEX(日本技能教育開発センター)エネルギー管理士受験講座

職業訓練法人 日本技能教育開発センター(JTEX)は、熱分野と電気分野のそれぞれに通信教育講座を用意しています。公式ページでは、試験内容に即したテキスト構成と、例題・章末問題で過去問題の学習ができるとされ、レベルは「上級」と位置づけられています。レポートの提出方式は記述式です。
テキストを手元に置いて、自分のペースでレポートを書きながら進めたい人に合う形式です。映像講義が中心の講座とは違い、紙のテキストで基礎から積み上げたい人には選択肢になります。受講期間は6ヵ月で、公式ページには特別受講料36,300円と一般受講料38,500円(いずれも税込)の2種類が掲載されています。どちらが適用されるかの条件は、申込前に公式ページで確認してください。
| 提供元 | 職業訓練法人 日本技能教育開発センター(JTEX) |
| 講座 | エネルギー管理士受験講座(熱分野)D40/(電気分野)D41 |
| 教材 | 熱分野:テキスト6冊・レポート6回/電気分野:テキスト5冊・レポート6回(記述式) |
| 費用・期間 | 一般受講料38,500円(税込)・特別受講料36,300円(税込)。受講期間6ヵ月 |
| 公式サイトで確認した事項 | 講座コード・受講期間・教材構成・レポート回数・受講料・在庫状況 |
6. SAT エネルギー管理士講座(アガルートアカデミーでも販売)

SAT株式会社は、現場・技術系の資格を専門にする教材会社で、エネルギー管理士の電気分野・熱分野の講座を出しています。公式ページによると、講義は講師の背後にテキストが映る形式で、1講義が10〜20分前後に区切られ、フルカラーのテキストと過去問題集がセットになっています。スマホで疑問点を撮影して質問できるサポートがあり、質問は10回まで無料(それ以上は1回500円)、不合格時は不合格通知書の提示で質問回数がリセットされる、といった案内も確認できました。
形式はeラーニング講座・DVD講座・両方がセットの講座の3種類です。電気分野は58,080円〜74,580円、熱分野は38,280円〜60,280円(いずれも税込)で、電気分野のテキストは4冊に、ステップアップ用のテキストと過去問題集(令和4〜8年度の5年分)が加わる構成です。受講料の20%が給付される教育訓練給付制度の利用についても公式ページに案内があるため、対象になる人は条件を事前に確認してみてください。
なお、この講座はアガルートアカデミーの専用ページでも購入でき、アガルートのページには「SAT株式会社がサービスを提供」と明記されています。販売ページが2つある格好ですが、掲載されている料金は同じでした。確認した時点では、アガルートのページに「メンテナンスのため電気分野の販売を中止している」との表示があり、SAT公式ページには「熱分野は改訂作業のため販売停止中」との注記がありました。教材は年度ごとに改訂されるため、購入できる分野・版は申込前に各ページで確認する必要があります。
| 提供元 | SAT株式会社(アガルートアカデミーの販売ページも同じ講座) |
| 形式 | eラーニング講座・DVD講座・eラーニング+DVD講座 |
| 費用 | 電気分野:58,080円/69,080円/74,580円、熱分野:38,280円/54,780円/60,280円(いずれも税込。順にeラーニング/DVD/両方)。2026年10月28日の確認時点で、SAT公式ページは熱分野が販売停止中、アガルートのページは電気分野が販売中止の表示のため、購入できる分野は申込前に必ず確認してください |
| サポート | 質問10回まで無料(超過は1回500円)、不合格時の質問回数リセット、30日間返金保証(条件あり)、DVDの不具合は1年間交換 |
| 公式サイトで確認した事項 | 講座形式・料金・教材構成・サポート内容・販売停止中の分野の注記 |
自分に合う学び方の選び方|ケース別の考え方
- 実務経験が3年以上あり、仕事と両立しながら取りたい人は、エネルギー管理研修が候補です。講義はオンラインで24時間視聴でき、修了試験は12月に1日で終わります。ただし、実務従事証明書の準備や審査があるため、申込時期より前から動く必要があります。
- 実務経験がこれからの人は、試験に挑戦する形になります。受験資格の制限はなく、免状の申請時に1年以上の実務従事を証明できれば足ります。
- 計算問題に不安がある人は、映像講義と質問サポートがセットの講座か、レポートで添削を受けながら進める通信教育が候補です。公式に掲載されている費用は、4万円前後から7万円台まで幅があります。
- 費用を抑えたい人は、公式が公開する過去問題を使い、苦手な課目だけ講座や教材で補う、という組み合わせも考えられます。
- 省エネ法の法定講習が必要な人は、エネルギー管理講習(新規講習)が対象です。免状が必要かどうかは、勤務先の指定区分で変わります。
エネルギー管理士は独学でも合格できる?
結論から言えば、電気や機械の基礎学習の経験がある人は、独学でも合格を狙えると考えられます。理由は、受験資格の制限がなく、ECCJが過去の試験問題と標準解答を公開しており、さらに課目合格制度で3年かけて分けて合格できるからです。一方で、工学の計算に慣れていない人や、短期間で一気に合格したい人は、通信講座や映像講義を併用したほうが進めやすいでしょう。
独学で進めるなら、次の3ステップが現実的です。
- ECCJの過去問題と標準解答で出題形式を確認する(課目ごとの問題数や選択問題の形を、先に把握する)
- 課目単位で3年計画を立てる(1年目は課目Ⅰと得意な分野専門課目から。合格した課目は3年間免除される)
- 計算問題を繰り返し解く(解き方の型を覚え、法規は最新の改正点を別に確認する)
最新の過去問題集や参考書は、次のバナーから探してみてください。
独学でつまずきやすい計算課目だけを講座で補う、といった使い分けもできます。講座を選ぶときは、販売中の分野・教材の年度・サポート期限を公式ページで確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. エネルギー管理士試験に受験資格はありますか?
A. ありません。ECCJの令和8年度の手引でも「受験資格の制限はありません」と明記されています。ただし、免状の交付を申請する際には、1年以上の実務従事を証する書類が必要です。
Q. 実務経験がなくても試験を受けられますか?
A. 受験はできます。実務従事の時期は合格の前後を問わないため、合格後に実務を積んで免状を申請することも可能です。一方、エネルギー管理研修は3年以上の実務経験が前提です。
Q. 試験と研修、どちらで取るのが良いですか?
A. 実務経験が3年以上あり、まとまった学習時間をオンライン講義に充てられる人は研修、経験の有無を問わず挑戦したい人は試験、というのが基本の考え方です。免状は同じものなので、取得後に差はありません。申込時期と手続きが異なるため、ECCJの案内で日程を確認してください。
Q. 電気分野と熱分野は両方取る必要がありますか?
A. 必要ありません。免状に分野の区別はなく、どちらか一方で合格・修了すれば、エネルギー管理士として扱われます。
Q. 通信講座を修了すれば免状がもらえますか?
A. もらえません。通信講座は、試験対策のための教材・講義です。免状の取得には、試験合格か研修修了のいずれかと、実務従事の証明が必要です。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. ECCJが公表した令和8年度(第48回)の数字は、新規受験者(課目免除受験者を含む)で受験者数8,783人・合格者数3,019人です。受験者数に対する合格者数の割合は約34%となります(当サイトでの算出)。分野や年度、課目免除の人数で変動するため、目安として捉えてください。
Q. 令和9年度の試験日程はいつ決まりますか?
A. 本記事の執筆時点では公表を確認できませんでした。令和8年度は4月6日から受験申込が始まっています。最新の日程はECCJのホームページで確認してください。
【豆知識】エネルギー管理士を取り巻く数字(公的機関の公表値)
- 令和8年度(第48回・2026年8月2日実施)の試験は、新規受験者(課目免除受験者を含む)で申込者数10,456人、受験者数8,783人、合格者数3,019人。受験者数に対する合格者数の割合は約34.4%(当サイトでの算出)。
- 令和7年度に実施された第48回エネルギー管理研修は、申込者1,022人、受験者973人、修了者556人。受験者数に対する修了者数の割合は約57.1%(当サイトでの算出)。
- 省エネ法で定期報告などの対象となる特定事業者等は約1.2万者(経済産業省、2025年11月4日公表。産業部門のエネルギー消費の約8割、業務他部門の約6割をカバー)。
いずれも過去の実績や現状を示す数字で、資格の需要や収入を保証するものではありません。受験者数の増減など、年ごとの推移はここでは扱っていません。
出典:省エネルギーセンター「令和8年度第48回エネルギー管理士試験 合格者発表」(2026年9月17日付、ECCJ)、同「第48回エネルギー管理研修 修了者発表」(2026年2月20日付、ECCJ)、経済産業省「令和7年度省エネ法定期報告情報の開示制度速報版開示シートを公表しました」(2025年11月4日、経済産業省)。調査機関・公的機関の公表値であり、今後を保証するものではありません。最新情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ
エネルギー管理士は、自分の実務経験に合わせて「試験」と「研修」のどちらかを選び、免状の申請に必要な実務従事の証明を準備しておくのが基本です。理由は、免状の取得ルートが2つに分かれており、受験資格・費用・日程が異なる一方、通信講座はあくまで受験対策の手段で、免状の交付条件ではないからです。電気分野と熱分野は、仕事で触れる設備や学習経験で選べばよく、免状に区別はありません。
まずは、勤務先が第一種エネルギー管理指定工場等に当たるかどうかを社内で確認し、ECCJの令和8年度の案内(試験・研修・講習)で日程と費用を確かめてください。そのうえで、対策講座を使うなら、販売中の分野・教材の年度・料金を各公式サイトで見比べるのがおすすめです。日程や料金は年度ごとに変わるため、申込前に必ず最新情報を確認しましょう。

