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アマチュア無線を始めるには、まず「アマチュア無線技士」の資格(無線従事者免許)が必要です。入門者が最初に目指すのは、第四級アマチュア無線技士(通称「4アマ」)か、その上の第三級アマチュア無線技士(「3アマ」)です。取り方は大きく2通りあり、日本無線協会が行う国家試験を受ける道と、総務大臣の認定を受けた団体が開く養成課程(講習会・eラーニング)を修了する道があります。
どちらの道でも、手に入るのは同じ無線従事者免許です。違うのは、費用、勉強の進め方、そして試験の形式です。国家試験は費用を抑えやすい反面、独学が前提になります。養成課程は費用が高めですが、授業を受けて修了試験に合格すれば国家試験は免除されます。
この記事では、日本無線協会・総務省・一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)・株式会社キューシーキュー企画(QCQ企画)の公式サイトで、実際に内容を確認できたものだけを取り上げました。料金や日程は記事執筆時点(2026年10月)の公式掲載内容で、改定されることがあります。申し込む前には、必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
なお、上位級の第一級・第二級は、より専門的な内容で学習量も大きく変わります。ここでは入門向けの第四級・第三級に絞って、取り方の違いを整理します。
アマチュア無線技士の資格とは?第四級・第三級の違い
アマチュア無線の資格は、第一級から第四級までの4つです。総務省の東北総合通信局のページでは、操作できる範囲が級ごとに示されています。第四級は、モールス符号を除く操作で、21〜30MHzと8MHz以下の周波数では空中線電力10W以下、30MHzを超える周波数では20W以下の設備まで扱えます。第三級は、18MHz以上と8MHz以下の周波数で、空中線電力50W以下まで扱えます。
数字だけでは分かりにくいので、できることを大まかに言い換えると、4アマは身近な範囲での交信を楽しむ入門資格、3アマは出せる電力や使える周波数帯が広がる一段上の資格、というイメージです。電波の出力が大きくなれば、それだけ遠くの相手と交信しやすくなります。
試験の中身は、第四級・第三級とも「無線工学」と「法規」の2科目です。日本無線協会の資料(資格別・科目別試験問題数と試験時間、国家試験の合格基準)をもとに、2つの級を並べると次のとおりです。
| 第四級アマチュア無線技士 | 第三級アマチュア無線技士 | |
| 国家試験の科目 | 無線工学・法規(四者択一) | 無線工学・法規(四者択一) |
| 問題数と試験時間 | 工学・法規 各12問、時間は合わせて1時間 | 工学14問・法規16問、時間は合わせて1時間10分 |
| 合格基準 | 各科目 60点満点中40点以上 | 工学 70点満点中45点以上、法規 80点満点中55点以上 |
| 操作できる範囲(総務省) | モールス符号を除く。21〜30MHz・8MHz以下は10W以下、30MHz超は20W以下 | 18MHz以上・8MHz以下で50W以下 |
| 国家試験の受験資格 | 制限なし(年齢・学歴など問わない) | 制限なし(年齢・学歴など問わない) |
合格基準は、1問5点で配点されているため、問題数に直すと、4アマは各科目12問中8問以上(40点÷5点)、3アマは工学14問中9問以上、法規16問中11問以上が目安になります(当サイトでの換算で、日本無線協会の公表は点数です)。どちらも、4つの選択肢から正解を選ぶ形式です。
国家試験の受験資格について、日本無線協会の受験案内には「受験資格を問わない。どなたでもどの資格でも受験いただけます」と書かれています。つまり、年齢や学歴の条件はなく、4アマを飛ばして最初から3アマを受けることもできます。
資格と無線局の免許は別の手続き
ここで1つ整理しておきたいのが、無線従事者免許(資格)と無線局免許(自分のアマチュア局を開く許可)の違いです。資格を取っただけでは、電波を出せるようにはなりません。JARDの「始めよう」ページでも、資格を取ったあとに開局申請を行い、総合通信局から無線局免許状が発給され、免許状に自分のコールサインが記される、という順番で案内されています。
この記事で中心に扱うのは、その手前の資格の取り方です。局免許の手続きや、機器の技術基準に適合しているかを確認する保証の仕組みは、資格を取った後に調べれば間に合います。JARDの公式サイトに案内ページがあります。
資格の取り方は2ルート!国家試験と養成課程の全体像
取り方は、国家試験を受ける道と、養成課程で受ける道の2ルートです。養成課程はさらに、講習会(集合形式)で受ける方法と、eラーニング(通信講座)で受ける方法に分かれます。総務省の無線従事者免許のページでも、取得方法は国家試験と養成課程の2系統として案内されています。
養成課程は、総務大臣の認定を受けた団体が、電波法令で決められた時間と内容の授業を行い、最後に修了試験を実施する仕組みです。QCQ企画の公式サイトでは「関東総合通信局の認定を受け、電波法令で定められた時間・内容の授業および修了試験を行う」と説明されています。JARDの講習会ページにも「修了試験に合格すると、国家試験免除でアマチュア無線技士の資格を取得できます」とあります。
一方の国家試験は、日本無線協会が指定試験機関として実施しています。第三級・第四級アマチュア無線技士は、全国300か所以上の会場(テストセンター)で、コンピューターを使うCBT方式により、年間を通じて受けられます。試験日が決まっている集合型の試験と違い、都合のよい日を予約して受験できます。
今回確認できた公式情報をもとに、取り方を一覧にしました。費用は税込で、各公式サイトに掲載されていた額です。
| 対象級 | 費用(税込) | 期間・日数 | 試験・修了の方式 | 向いている人 | |
| 国家試験(日本無線協会・CBT) | 第四級・第三級 | 4アマ 5,700円+決済手数料330円/3アマ 6,000円+決済手数料341円。免許申請手数料は別 | 通年・随時(自分で予約) | CBTテストセンターで工学・法規を受験 | 独学で費用を抑えたい人 |
| JARD 講習会(集合) | 4アマ標準/3アマ短縮 | 4アマ 一般26,250円・18歳以下14,150円/3アマ短縮 15,250円(免許申請手数料込み) | 4アマ2日間、3アマ短縮1日間 | 講習会での修了試験 | 対面で教わりたい人 |
| JARD 3アマeラーニング | 3アマ(無資格から可) | 一般28,450円。18歳以下・有資格者・再受講は15,250円(免許申請手数料込み) | 最長3か月 | CBTテストセンターで修了試験 | 最初から3アマまで取りたい人 |
| QCQ企画 eラーニング | 4アマ標準/3アマ短縮 | 4アマ 一般26,250円・20歳未満15,250円/3アマ短縮 16,350円(免許申請手数料込み) | 最長90日 | CBTテストセンターで修了試験 | 自宅で4アマを取りたい人 |
| QCQ企画 講習会 | 4アマ/3アマ | 4アマ 一般26,250円・20歳未満17,450円/3アマ 16,350円 | 4アマ2日間、3アマ1日 | 講習会での修了試験 | 短期集中で取りたい人 |
JARDのeラーニングは3アマ以上のコースが中心で、4アマのeラーニングはQCQ企画が提供しています。QCQ企画の3アマ短縮コースは、第四級の免許を持っていることが条件です。JARDの3アマeラーニングは、4アマを持っていない人も受講できると案内されています。
国家試験で取る(日本無線協会)
日本無線協会の国家試験(CBT方式)

日本無線協会は、総務大臣から指定を受けた公益財団法人で、無線従事者のすべての資格(23資格)の国家試験を実施しています。第三級・第四級アマチュア無線技士は、第二級・第三級海上特殊無線技士、第二級・第三級陸上特殊無線技士とともに、CBT方式で年間を通して受験できる資格です。
費用を最優先に考えるなら、国家試験が最も抑えやすい選択肢です。受験料は、CBTの運営会社の案内ページで、4アマが5,700円(非課税)に決済手数料330円(税込)、3アマが6,000円(非課税)に決済手数料341円(税込)と掲載されています。2026年10月1日に手数料が改定されたと明記されているので、以前の記事やブログの金額とは違う場合があります。
- 申込:CBT運営会社のサイトでユーザー登録をして、受験する試験・日付・会場・時間を選び、顔写真を登録します。支払い方法はクレジットカード・コンビニ・Pay-easyから選べます。
- 日程:通年で実施されていて、予約時に表示される会場・時間から好きな枠を選べます。
- 結果:試験後に配られる終了レポートに合否は書かれず、合否が確定した後に日本無線協会からメールで通知されます。
国家試験に合格したあとは、免許証を受け取るために総務省への免許申請が別途必要になります(手数料は後述)。受験料と免許申請手数料を足した費用の目安は、当サイトの計算で4アマが約7,800〜8,100円、3アマが約8,100〜8,400円です。参考書などの教材費は含みません。
養成課程で取る(講習会・eラーニング)
養成課程は、授業を受けて修了試験に合格すれば免許申請に進める仕組みです。国家試験より費用は高くなりますが、出題範囲の整理や解説を受けられるため、はじめて電気や法令に触れる人には進めやすい選択肢です。ここでは、公式サイトで講座の存在と内容・料金を確認できたJARDとQCQ企画の4コースを紹介します。
JARD 講習会(4アマ標準コース・3アマ短縮コース)

JARDは、アマチュア無線の振興を目的に1991年に設立され、2011年4月に一般財団法人に移行した団体です。公式サイトには、事業内容として「アマチュア無線に関する無線従事者の養成」などが挙げられています。講習会は、総務省認定の「アマチュア無線技士養成課程講習会(第四級標準コース/第三級短縮コース)」として全国各地で行われています。
| コース | 第四級標準コース(はじめて取る人向け)/第三級短縮コース(第四級を持っている人向け) |
| 期間・時間 | 第四級標準:2日間(法規6時間・無線工学4時間)/第三級短縮:1日間(法規4時間・無線工学2時間) |
| 受講料(税込) | 第四級標準:一般26,250円、18歳以下14,150円/第三級短縮:15,250円(免許申請手数料2,050円を含む) |
| 修了後 | 修了試験に合格すると、国家試験免除で資格を取得 |
| 申込 | 開催日程の一覧から選んで申込。書面の場合は開講日の1週間前が締切 |
JARDの講習会が向いているのは、対面の授業で、短期間のうちに4アマを取りたい人です。18歳以下の受講料が一般の半額強に設定されているので、中高生が親子で受講するときにも検討しやすい料金です。受講日程は全国の地域別に掲載されているため、申し込む前に自分の通える会場があるかを公式の日程表で確認してください。
JARD 3アマeラーニング(通信講座)

4アマを持たずにいきなり3アマまで取りたい人は、JARDの3アマeラーニングが選択肢になります。公式の案内では「4アマ資格をお持ちでなくてもご受講いただけます」と書かれていて、インターネット環境と、パソコンやタブレットを操作できることが条件です。
| 対象 | 第三級アマチュア無線技士養成課程(無資格から受講可) |
| 受講料(税込) | 一般28,450円/18歳以下・有資格者(第四級など)・再受講は15,250円(免許申請手数料2,050円を含む) |
| 学習期間 | 受講開始から修了試験の受験まで最長3か月 |
| 学習内容 | 電子テキスト(全8ブロック)→各ブロックの中間試験→判定試験。法規・無線工学のどのブロックからでも始められる |
| 修了試験 | CBTテストセンターで受験。法規10問・無線工学10問、時間60分、それぞれ60点以上(100点満点)で合格。初回の受験料は無料、不合格時の再受験は5,500円 |
| 申込 | オンラインで随時募集。受講キット(教科書・書類)が郵送される |
3アマeラーニングは、3アマまで一気に進みたい人や、仕事や学校が忙しく、決まった日に会場へ行けない人に向いています。4アマを経由する場合の受講料と比べると、無資格から受講して約28,450円で3アマまで進める分、2回に分けるより負担を抑えやすい構成です。修了試験に合格すると、協会が書類を総務省へ提出し、免許証は約1〜1.5か月後に交付される、という流れが公式の受講の流れに書かれています。
QCQ企画 eラーニング(4アマ標準・3アマ短縮)

QCQ企画は、東京都千代田区に拠点を置く株式会社キューシーキュー企画で、アマチュア無線技士の養成課程講習会やeラーニングを運営しています。公式サイトのeラーニングは、PC・タブレット・スマートフォンから講義動画を視聴して学ぶ形式で、4アマ標準コースを自宅で受けられる点が特徴です。
| コース | 第四級標準コース/第三級短縮コース |
| 受講料(税込、2026年10月31日までの申込の場合) | 第四級標準:一般26,250円(本体24,200円+免許申請手数料2,050円)、20歳未満15,250円/第三級短縮:16,350円(本体14,300円+免許申請手数料2,050円) |
| 学習期間 | 最長90日間 |
| 修了試験 | 全国300か所以上のCBTテストセンター。法規・無線工学が各10問、どちらも6問以上正解で合格 |
| 受講条件 | 第四級は誰でも受講可/第三級は第四級の免許を持っている人 |
| 流れ | 申込→支払い→資料送付→eラーニング開講→受講→CBT修了試験→合格発表→免許申請→免許証発給 |
QCQ企画のeラーニングが合うのは、近くに講習会場がない、または平日・休日の予定が読めない人です。講義動画と模擬試験を何度でも繰り返し視聴・受験できるため、1日や2日の講習ではついていけるか不安という人にも向いています。公式サイトには「合格率98%以上」と掲載されています(同社の公表値で、集計の範囲は公式サイトで確認してください)。
QCQ企画 講習会(4アマ・3アマ)

同じQCQ企画の講習会は、全国の主要都市で定期的に開催される集合講習です。4アマは2日間(1日目9:30〜17:35、2日目9:30〜16:55)、3アマは1日(9:30〜18:50)で修了できます。
| 受講料(税込、2026年12月31日までの講習会の場合) | 第四級:一般26,250円、20歳未満17,450円/第三級:16,350円(区分なし) |
| 日数・時間 | 第四級:2日間/第三級:1日(第四級の免許を持っている人が対象) |
| 修了試験 | 法規・無線工学が各10問の択一式。どちらも6問以上正解で合格 |
| 申込 | 講習会日程表から選んで申込。申込用紙の郵送・FAX、電話でも受付 |
| そのほか | 日程表の講習会は居住地に関係なく選べる(例:大阪在住で東京開催を選ぶことも可)。公式サイトによると、修了試験に不合格でも無料で何度でも再受講できる |
QCQ企画の講習会は、短期間で資格を取り切りたい人、特に3アマ短縮コースの1日で終えたい人に向いています。居住地に関係なく開催地を選べるので、出張や帰省の予定に合わせて日程を組むこともできます。会場や日程は定期的に更新されるため、申込時には必ず公式の講習会日程表を確認してください。
国家試験と養成課程、どちらで取る?費用と手間の比べ方
4アマだけを取るのか、3アマまで進めるのかで、有利な取り方は変わります。当サイトで各公式の料金をもとに概算した比較は次のとおりです(いずれも教材費・交通費は含まず、期間や会場による差は考慮していません)。
| 4アマのみ | 4アマ→3アマと進む場合 | |
| 国家試験 | 5,700円+330円+免許申請手数料(1,750〜2,050円)=約7,780〜8,080円 | 4アマ約7,780〜8,080円+3アマ約8,091〜8,391円(いずれも免許申請手数料含む) |
| JARD講習会 | 26,250円(免許申請手数料込み) | 26,250円+15,250円=41,500円 |
| QCQ企画 eラーニング | 26,250円(同上) | 26,250円+16,350円=42,600円 |
| JARD 3アマeラーニング | – | 無資格から28,450円で3アマ直行 |
こうして並べると、国家試験は費用面で圧倒的に安く、養成課程は3倍前後の金額になります。ただ、費用だけで決めると、学習量の確保でつまずくおそれがあります。判断の目安を3つに整理しました。
- とにかく費用を抑えたい(過去問を繰り返せる人、電気や法令を自力で読み進められる人は国家試験)
- 短期間で確実に終わらせたい(2日間・1日の集合講習で一気に学ぶなら、JARDやQCQ企画の講習会)
- 自宅や自分のペースで進めたい(通える会場が近くにない、仕事・学校の都合があるなら、eラーニング)
もう1つ見落としやすいのが、期間の違いです。養成課程のeラーニングは、JARDが最長3か月、QCQ企画が最長90日と、受講期間が決まっています。国家試験は、自分で勉強期間を決めて好きなタイミングで申し込めます。期限があるほうが続けやすい人は、eラーニングが合います。
独学(国家試験)でも合格できる?
結論から言えば、4アマは、過去問や参考書をコツコツ繰り返せる人なら独学でも合格を狙えます。理由は、試験が四者択一のCBT方式で、日本無線協会が法規・無線工学それぞれ3組ずつ、1回分に相当する例題(解答付き)を公式サイトに掲載しているからです。出題の形式と難しさを、受験前に確認できます。
3アマは、4アマよりも問題数と範囲が広がり、計算問題も増えます。そのため、独学でも不可能ではないものの、電気の基礎に自信がない人は、eラーニングや講習会との併用を考えたほうが安心です。
- 例題を解いて出題の形を知る(日本無線協会の公式サイトにある、法規・無線工学の例題を最初に1組解く)
- 参考書で苦手分野を埋める(解けなかった問題の分野だけ、参考書の該当ページに戻って理解する)
- 過去問を繰り返して合格点を安定させる(4アマなら各科目40点以上が目安。間違えた問題に印を付けて、できるまで解き直す)
最新の過去問題集や参考書は、次のバナーから探してみてください。
独学で進めるか、講習やeラーニングを使うかは、勉強にかけられる時間と費用のバランスで決まります。まず4アマを独学で取って、3アマの段階で短縮コースやeラーニングを組み合わせる、という進め方も合理的です。
資格取得後の無線従事者免許の申請(総務省)
国家試験に合格しただけ、あるいは養成課程の修了試験に合格しただけでは、免許証は手元に届きません。無線従事者免許証の申請を、総務省(各地方の総合通信局)に行う必要があります。日本無線協会の試験の流れにも、結果通知のあとの最終ステップとして「免許申請: お住いの場所を所管する総務省の各地方総合通信局あて」と書かれています。
申請手数料は、総務省の総合通信局の案内ページによると、書面で申請すると2,050円、電子申請では1,750円です(2025年10月1日から)。電子申請では、e-Govで「無線従事者免許申請」を探して手続きします。
- 国家試験で取った場合:合格後に、自分で免許申請を行う(書面または電子申請)。
- 養成課程で取った場合:JARDのeラーニングの案内では、修了試験に合格したあとに、協会が書類を総務省へ提出する流れが示されています。免許申請手数料(2,050円)は受講料に含まれています。
養成課程の受講料に免許申請手数料が含まれている点は、国家試験と費用を比べるときの注意点です。国家試験側の受験料と比べるときは、免許申請手数料を足して比較してください(上の比較表では足してあります)。
4アマから3アマへ、ステップアップの進め方
4アマで始めたあと、3アマに進む人もいます。3アマでは使える周波数帯が広がり、出力も上がるためです。QCQ企画の公式サイトでも、第四級に合格したら、免許証が届く前でも3アマの申込ができる、と案内されています。
3アマを取るルートは、大きく3つです。
- 4アマを取ってから、3アマ短縮コースを受講する(JARD講習会の短縮コースは1日、QCQ企画のeラーニング・講習会は4アマ免許が条件)
- JARD 3アマeラーニングで無資格から3アマまで進む(4アマを経由しないため、手続きが1回で済む)
- 国家試験の3アマを受ける(受験資格に制限はないので、いきなり3アマの受験も可能)
いずれの場合も、2つ目の資格の免許申請は別途必要になります。迷う場合は、まず4アマを取ってアマチュア無線の雰囲気をつかんでから、続けるかどうか決める進め方でも遅くありません。
電気・電子の資格を狙う人にとって、アマチュア無線の勉強は電気の基礎をつかむ入口にもなります。さらに上を目指すなら、電気主任技術者を扱った電験三種の比較記事が参考になります。

配線や電気設備の実務に関心がある人は、電気工事士の通信講座を比べた記事もあわせてどうぞ。

電波を使う趣味つながりでは、ドローンの国家資格・スクールを扱った記事も、関心に合うかもしれません。

資格取得をきっかけに、アマチュア無線以外の趣味や習い事も広げたい人には、オンラインで始められる趣味の講座をまとめた記事が参考になります。

社会人が学べる習い事をさらに広く知りたい人には、大人の習い事を比較した記事もあります。

よくある質問
Q. 子どもや中高生でも、アマチュア無線技士の資格は取れますか?
A. 日本無線協会の受験案内には、無線従事者の国家資格は受験資格を問わず、どなたでも受験できると書かれています。養成課程も、JARDの講習会は18歳以下、QCQ企画は20歳未満の割引が設定されています。年齢の区切りが両者で違うため、申し込む前に公式サイトで確認してください。
Q. 4アマを飛ばして、いきなり3アマから取れますか?
A. 取れます。国家試験は受験資格を問わないため、最初から3アマを受験できます。養成課程では、JARDの3アマeラーニングが4アマの資格がなくても受講できると案内されています。一方、QCQ企画の3アマ短縮コースは、第四級の免許を持っていることが条件です。
Q. 養成課程と国家試験で、免許の効力に違いはありますか?
A. JARDは、講習会を修了して修了試験に合格すると、国家試験免除でアマチュア無線技士の資格を取得できる、と案内しています。QCQ企画も、試験に合格すれば無線従事者免許証が取得できると説明しています。免許の等級による操作範囲は、取り方によって変わりません。
Q. 資格を取れば、すぐにアマチュア無線の電波を出せますか?
A. すぐには出せません。資格(無線従事者免許)とは別に、開局申請を行い、総合通信局から無線局免許状が発給される必要があります。JARDのサイトで、開局申請の案内やアマチュア局保証などの情報が公開されています。
Q. 免許申請の手数料はいくらですか?
A. 総務省の総合通信局の案内では、無線従事者免許の申請手数料は、書面申請が2,050円、電子申請が1,750円です(2025年10月1日から)。養成課程では、この手数料が受講料に含まれているコースがあります。
Q. 修了試験や国家試験に不合格だったら、どうなりますか?
A. JARDの3アマeラーニングでは、初回の修了試験は無料で、不合格時の再受験は5,500円と案内されています。QCQ企画の講習会は、公式サイトで、修了試験に不合格でも無料で何度でも再受講できると掲載されています。国家試験は、改めて申込と受験料の支払いが必要です。
Q. スマートフォンだけで勉強できますか?
A. QCQ企画のeラーニングは、PC・タブレット・スマートフォンの端末で受講できると公式サイトに書かれています。JARDの3アマeラーニングも、自宅のパソコンやタブレット、スマートフォンで学習する形態と案内されていますが、動作環境の確認ページが用意されているため、申込前に確認してください。
Q. 過去問や例題はどこで見られますか?
A. 日本無線協会の公式サイトで、第三級・第四級アマチュア無線技士のCBT方式の例題(解答付き)が、法規・無線工学それぞれ3組ずつ公開されています。受験者ごとに実施されるため、掲載されたものからそのまま出題されるとは限らないと、公式サイトに注意書きがあります。
【豆知識】アマチュア局の数の動き
- 総務省の無線局統計情報によると、全国のアマチュア局数は、2025年8月末の338,434局から、2026年8月末は323,028局になり、1年間で15,406局(約4.6%)減りました。
- 2025年12月末は333,309局で、近年は全体として減少傾向が続いています。
- この統計は開設されているアマチュア局の数で、資格を持っているだけで局を開いていない人は含まれていません。
局数が減っていることは、そのまま資格取得者の減少を意味するわけではありません。資格を取る人が減っているのか、局を閉じる人が増えているのかは、この数字だけでは判断できません。それでも、続けている人が一定数いる趣味であることは分かります。
出典:総務省 電波利用ポータル「無線局統計情報」(地方局・局種別、令和7年8月末・令和7年12月末・令和8年8月末時点の全国値)。調査機関の公表値で、今後を保証するものではありません。最新情報は総務省の公式サイトでご確認ください。
まとめ
アマチュア無線の資格は、費用を抑えるなら日本無線協会の国家試験、短期間で確実に終えるなら講習会、自宅で自分のペースを守るならeラーニング、という軸で選ぶのが近道です。国家試験は4アマで約7,800〜8,100円(免許申請手数料込み)から取れる一方、養成課程は26,250円前後からと、費用に3倍前後の差があります。
理由は、国家試験は自分で勉強する前提で費用が小さいのに対し、養成課程は授業と修了試験がセットになっているためです。どちらで取っても同じ無線従事者免許が得られるので、学習量に自信があれば国家試験、不安が大きければ養成課程と使い分けられます。まずは、日本無線協会の国家試験案内と、JARD・QCQ企画の公式サイトで、最新の料金・日程・受付状況を確認し、自分の都合に合う取り方を絞り込んでください。

