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「旅行が好きで、その知識を仕事に活かしたい」「旅行会社やホテル、ブライダル業界への就職・転職で評価される資格がほしい」。そう考えたときに行き着くのが、旅行業界で唯一の国家資格とされる旅行業務取扱管理者です。旅行業法では、旅行会社は営業所ごとに専任の有資格者を1名以上置かなければならないと定められており、パッケージツアーや団体旅行の企画・手配など、旅行業務の根幹を担う人材として評価されます。
ただしこの資格には、国内旅行だけを扱える「国内旅行業務取扱管理者」と、海外旅行も扱える「総合旅行業務取扱管理者」の2種類があり、試験範囲も難易度もかなり違います。受験資格の制限がなく誰でも挑戦できる試験ですが、出題範囲が広く細かい知識が問われるため、通信講座・オンライン講座を使って効率よく学習する受験者が多数派です。この記事では、各社の公式サイトで講座内容・料金を実際に確認したうえで、国内・総合それぞれに対応した通信講座を5社厳選して比較しました。
旅行業務取扱管理者とは?国内・総合の違いとできる仕事
旅行業務取扱管理者は、旅行業者が取り扱う旅行契約の管理・監督を行う責任者です。観光庁が所管する国家資格で、試験は実施団体が分かれており、総合旅行業務取扱管理者試験は一般社団法人日本旅行業協会(JATA)、国内旅行業務取扱管理者試験は一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)がそれぞれ実施しています。
- 国内旅行業務取扱管理者:日本国内の旅行のみを取り扱える資格。国内パッケージツアー、修学旅行などの団体旅行、国内の交通機関・宿泊施設の手配などが業務範囲。
- 総合旅行業務取扱管理者:国内・海外の両方の旅行を取り扱える資格。海外パッケージツアーの企画・販売や、外国人旅行者向けの手配(インバウンド)まで担当できる。
キャリアパスとしては、まず難易度がやや低い国内旅行業務取扱管理者を取得し、実務経験を積んでから総合旅行業務取扱管理者にステップアップする人も少なくありません。資格を取得すると、旅行会社・航空会社・鉄道会社・ホテル・ブライダル関連企業など、旅行や観光に関わる幅広い業界で専門知識の証明として評価されます。なお、市町村・都道府県が実施する地域限定旅行業務取扱管理者という第三の区分もありますが、取り扱える地域が限定される分、就職市場での評価は国内・総合の2資格に比べると限定的です。
実際の仕事内容としては、旅行商品の企画・造成、契約内容や約款に関する説明、取引条件の明示、旅程管理(添乗業務)など、旅行者と旅行会社の間でトラブルが起きないよう、専門知識をもとに取引全体を管理・監督する役割を担います。旅行業界未経験からの転職であっても、資格を持っていること自体が「旅行業務の基礎知識がある」という客観的な証明になるため、面接でのアピール材料として重宝されやすい資格です。

旅行業務取扱管理者試験の科目・受験資格・合格率
旅行業務取扱管理者試験には、年齢・学歴・実務経験などの受験制限が一切ありません。学生から社会人まで誰でも受験できる点は、他の多くの国家資格と比べても間口が広い特徴です。
| 総合旅行業務取扱管理者 | 国内旅行業務取扱管理者 | |
| 実施団体 | 日本旅行業協会(JATA) | 全国旅行業協会(ANTA) |
| 試験科目 | 旅行業法/約款/国内旅行実務/海外旅行実務(4科目) | 旅行業法/約款/国内旅行実務(3科目) |
| 出題形式 | マークシート方式(例年10月に実施) | CBT方式(2024年度からパソコン受験に移行、試験期間中の任意の日時で受験) |
| 合格率の目安 | 令和3〜7年度で6.2%〜13.5%の間で推移(令和7年度は11.7%) | 2023年度は36.5%前後(年度によって変動あり) |
総合試験の合格率は、JATAの公表データによると令和3年度6.2%、令和4年度13.5%、令和5年度7.9%、令和6年度13.2%、令和7年度11.7%(受験者1,948人・合格者227人)と、年度によって変動が大きい難関試験です。一方、国内試験は科目数が1つ少なく範囲も絞られるため、総合試験よりは合格率が高めで推移しています。ただし2024年度からCBT方式に移行したことで出題パターンが見直された経緯もあり、独学だけに頼らず最新の出題傾向に対応した教材で対策する受験者が増えています。
旅行業務取扱管理者の通信講座・オンライン講座 比較表
| 国内コース料金 | 総合コース料金 | 学習スタイル | 特徴 | |
| LEC東京リーガルマインド | 45,100円(3科目一括・Web通信) | 72,600円(4科目一括・Web通信) | 映像講義+テキスト 国内全32回48時間/総合全54回81時間 | 旅行業界出身の専任講師、CBT対策にも対応 |
| オンスク.JP | 月額980円〜(ウケホーダイ、一括プランは6ヶ月8,610円〜) | 非対応(国内コースのみ) | スマホ動画講義65回(15.5時間) 練習問題531問 | 他資格も含めた”学び放題”、スキマ時間学習向き |
| フォーサイト | 28,800円〜 | 43,800円〜(科目免除コース28,800円) | フルカラーテキスト+講義動画+eラーニング | 受講生の合格率を独自公表(総合63.0%・国内79.2%)、教育訓練給付金対象 |
| 資格の大原 | 単体コースなし(総合内の国内有資格者向けコースのみ) | 121,000円(コンパクト版36,300円) | 映像講義中心のWeb通信 | 国内→総合のダブルライセンス取得に強い、模試・直前対策の単体販売あり |
| トラベル&コンダクターカレッジ | リニューアル中(2027年度は11月下旬開講予定) | 同左 | ライブ配信授業+オンデマンド動画 | 旅行業界特化校、不合格時は次年度以降何度でも再受講無料 |
なお、通信講座の定番として知られるユーキャンも旅行業務取扱管理者講座を長年提供してきましたが、2026年10月時点で「諸般の事情により、現在本講座の受講および資料請求の受付を停止しており、再開の時期は未定です」と公式サイトに案内が出ています。申込を検討していた人は、以下で紹介する5社から選ぶか、ユーキャン公式サイトで最新の受付状況を確認してください。
旅行業務取扱管理者の通信講座おすすめ5選
各社の公式サイトで、国内・総合それぞれのコース有無や料金、直近の開講状況を実際に確認したうえで、タイプの異なる5社を選びました。
1. LEC東京リーガルマインド

資格予備校大手のLEC東京リーガルマインドは、国内・総合の両方の講座を用意しており、どちらを目指す人にも対応できる数少ない大手予備校です。国内コースは全32回48時間、総合コースは全54回81時間というボリュームで、旅行業界出身の専任講師が、実務に即したポイントを交えながら解説します。受験資格が不要なことや、国内試験がCBT方式に変わったことに合わせた対策もカリキュラムに組み込まれています。料金は国内45,100円・総合72,600円(いずれもWeb通信・一括受講の目安)で、資格の大原よりは手頃、フォーサイトよりは手厚いという中間的な価格帯です。
2. オンスク.JP

とにかく費用を抑えて国内旅行業務取扱管理者を目指したい人には、オンスク.JPの「ウケホーダイ」プランが向いています。月額980円(税込1,078円)から始められ、他の資格講座も追加費用なしで学び放題になる点が最大の特徴です。国内旅行業務取扱管理者講座には、65回・15.5時間の講義動画と531問の練習問題が用意されており、スマートフォンだけで通勤時間やすきま時間に学習を進められます。総合旅行業務取扱管理者には対応していないため、まずは国内資格から挑戦したい人、複数の資格学習を並行したい人に向いています。
3. フォーサイト

合格率の実績を公表している講座を選びたいなら、フォーサイトが候補の筆頭です。公式サイトでは「総合試験の合格率63.0%(全国平均26.1%の2.41倍)」「国内試験の合格率79.2%(全国平均35.6%の2.22倍)」という独自調査の数字を公開しており、フルカラーテキストと講義動画、eラーニングを組み合わせた学習で、3か月程度の短期合格を目指すカリキュラムになっています。料金も国内28,800円〜、総合43,800円〜(科目免除コースは28,800円)と、今回紹介する中では最も手頃な部類で、一般教育訓練給付金の対象講座でもあります。費用対効果を重視する人に向いています。
4. 資格の大原

資格の大原は、総合旅行業務取扱管理者講座に特化しているのが特徴です。初学者向けの「総合旅行合格コース」(121,000円)に加えて、すでに国内旅行業務取扱管理者を取得している人向けの「総合[国内有資格者]合格コース」(77,000円)が用意されており、国内資格を取ってから総合にステップアップするダブルライセンス狙いの人には効率よく学べる構成になっています。価格を抑えたコンパクト版(36,300円・27,500円)や、直前対策講座・全国統一公開模擬試験の単体受講も可能です。料金は今回紹介する中では高めですが、映像講義と大原の教材で基礎からじっくり固めたい人に向いています。
5. トラベル&コンダクターカレッジ(TC-college)

旅行業界への就職支援に特化したスクール、トラベル&コンダクターカレッジ(TC-college)は、旅行業務取扱管理者講座のほか、添乗員として働くために必要な旅程管理主任者登録研修も扱う旅行業界専門校です。ライブ配信授業とオンデマンド動画を組み合わせ、教室受講とオンライン受講を併用できる柔軟さに加えて、「その年の試験が不合格だった場合は、次年度以降何度でも再受講できる」という合格保証制度を設けているのが特徴です。2026年10月時点では2027年度受験対策講座がリニューアル中で、詳細な料金や開講時期(11月下旬予定)は公式サイトで確認する必要がありますが、旅行業界への就職・転職を見据えて専門校で学びたい人には検討の価値があります。
旅行業務取扱管理者の通信講座を選ぶときの4つのポイント
- 国内か総合か、将来の目標で選ぶ(海外旅行や外国人旅行者の手配まで担当したいなら総合一択、まずは国内から実務経験を積みたいなら国内コースから)
- 学習スタイルが自分に合うか(映像講義中心でしっかり学びたいか、テキスト+問題演習でスキマ時間に進めたいか)
- CBT化した国内試験の対策状況(2024年度から国内試験はパソコン受験に変わっているため、CBT体験プログラムや最新形式の問題集が付属しているかを確認)
- 教育訓練給付金の対象かどうか(対象講座であれば受講料の一部が後日給付される場合があるため、対象者はハローワークで条件を確認しておく)
とくに②と③は見落としがちですが、国内試験は2024年度にCBT方式へ移行したばかりの資格でもあるため、紙の問題集だけで対策すると本番の画面操作に戸惑うことがあります。公式サイトでCBT体験プログラムの有無を確認しておくと安心です。
旅行業務取扱管理者は独学でも合格できる?
結論から言えば、国内旅行業務取扱管理者は独学でも十分に合格を狙えますが、総合旅行業務取扱管理者は独学だとやや難易度が上がります。理由は、国内試験が3科目・出題範囲も国内の旅行実務に絞られているのに対し、総合試験は海外旅行実務が加わり、航空運賃や国際条約など暗記量・計算量ともに一気に増えるからです。実際、総合試験の合格率は例年10%前後で推移しており、市販の参考書だけで独学する場合は、過去問演習とスケジュール管理を自分で徹底する必要があります。
- 市販テキストで全体像をつかむ(旅行業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務の4分野をまず俯瞰する)
- 過去問演習を科目ごとに繰り返す(特に国内旅行実務・海外旅行実務は出題パターンが似通っているため、過去5年分を目安に解く)
- CBT方式の模試で本番の操作に慣れる(国内試験はパソコン受験のため、紙の問題集だけでなくCBT形式の模試・体験プログラムも必ず一度は試しておく)
最新の過去問題集や参考書は、次のバナーから探してみてください。
一方、総合試験に短期間で合格したい人や、海外旅行実務の計算問題(運賃計算など)でつまずきやすい人は、通信講座で頻出パターンを体系的に教わったほうが結果的に近道になるケースが多いです。国内資格だけなら独学、総合まで目指すなら通信講座、という使い分けも一つの選択肢です。

よくある質問
Q. 旅行業務取扱管理者の資格はどんな仕事に役立ちますか?
A. 旅行会社の店舗・法人営業部門はもちろん、航空会社、鉄道会社、ホテル・旅館、ブライダル関連企業など、旅行や観光に関わる幅広い業界で専門知識の証明として評価されます。旅行会社は営業所ごとに専任の有資格者を置く必要があるため、就職・転職時にアピールしやすい資格です。
Q. 国内と総合、どちらを取得すればいいですか?
A. 海外旅行や外国人旅行者(インバウンド)の手配まで担当したい人は総合旅行業務取扱管理者を目指すのがおすすめです。まずは国内旅行の実務経験を積みたい人、短期間で資格を取得したい人は、科目数が少なく難易度も控えめな国内旅行業務取扱管理者から挑戦し、必要に応じて総合へステップアップする方法もあります。
Q. 受験資格はありますか?年齢制限はありますか?
A. 年齢・学歴・実務経験などの受験制限は一切なく、誰でも受験できます。学生のうちに取得して就職活動でアピールする人もいれば、社会人になってからキャリアアップのために挑戦する人もいます。
Q. 国内試験がCBT方式になったと聞きましたが、何が変わりましたか?
A. 国内旅行業務取扱管理者試験は2024年度からCBT方式(パソコンでの受験)に移行しました。従来の紙のマークシート方式と異なり、指定された試験期間中の都合の良い日時・会場を選んで受験できるようになっています。対策講座を選ぶ際は、CBT形式の模試や体験プログラムが付属しているかを確認しておくと安心です。
Q. ユーキャンの旅行業務取扱管理者講座は申し込めますか?
A. 2026年10月時点で、ユーキャンは「諸般の事情により、現在本講座の受講および資料請求の受付を停止しており、再開の時期は未定です」と公式サイトで案内しています。申込を検討している場合は、本記事で紹介したLEC東京リーガルマインドやオンスク.JPなど、現在受付中の講座から選ぶか、ユーキャン公式サイトで最新の受付状況を確認してください。
Q. 旅行業務取扱管理者と旅程管理主任者は何が違いますか?
A. 旅行業務取扱管理者は営業所に専任者を置くことが義務付けられている資格で、契約や取引全体の管理・監督が仕事です。一方、旅程管理主任者(添乗員資格)は、実際にツアーに同行して旅程を管理する添乗業務に必要な資格で、別の登録研修を修了して取得します。両方を取得すれば、旅行の企画・契約管理から現地での添乗まで幅広く対応できるようになるため、旅行会社によってはダブル取得を推奨しているところもあります。
【豆知識】国内旅行業務取扱管理者試験、CBT化で受験者数が回復傾向
- 国内旅行業務取扱管理者試験を実施する全国旅行業協会(ANTA)によると、2024年度の試験申込者数は1万3,316人で、前年度から約3,000人増加しました。背景には、2024年度から導入されたCBT方式(パソコン受験)によって、受験者が会場や日程を選びやすくなったことがあるとされています。
- 総合旅行業務取扱管理者試験(JATA実施)の受験者数は、令和3〜7年度で2,000人前後、合格率は6.2%〜13.5%の間で推移しており、国内試験に比べると小規模かつ難関な資格として安定しています。
数字は全国旅行業協会(ANTA)の試験運営に関する報道(2025年6月時点の報道記事)、および日本旅行業協会(JATA)が公表した試験結果データに基づく。いずれも今後の受験者数・資格者需要を保証するものではない。最新の試験日程・申込状況は観光庁・JATA・ANTAの公式サイトで確認すること。
まとめ
旅行業務取扱管理者の通信講座は、目指す資格の種類(国内か総合か)と、かけられる予算・学習スタイルで選ぶのが基本です。実務家講師による手厚いカリキュラムで国内・総合の両方に対応したいならLEC東京リーガルマインド、とにかく費用を抑えてスキマ時間に国内資格を目指すならオンスク.JP、独自の合格率実績とコストパフォーマンスで選ぶならフォーサイト、国内から総合へのダブルライセンスを見据えるなら資格の大原、旅行業界への就職・転職まで見据えて専門校で学びたいならトラベル&コンダクターカレッジ、というのが大まかな選び分けの軸です。
いずれの講座も、2024年度からCBT方式に変わった国内試験への対応状況や、現在の開講状況・料金は変更される可能性があります。この記事を参考に候補を絞り込んだら、最後は必ず各社の公式サイトで最新のコース内容・料金・キャンペーン情報を確認したうえで、自分の目標やライフスタイルに合った一社を選んでください。

