【2026年最新】食品衛生責任者の取り方!養成講習会・eラーニング・免除を比較

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「カフェや居酒屋を開業したいけれど、食品衛生責任者って何?」「調理師免許を持っていないが、どうすれば資格を取れるの?」——飲食店の開業準備を始めると、早い段階でこの疑問にぶつかります。食品衛生責任者は、飲食店をはじめとする食品を扱う施設の衛生管理で中心的な役割を担う人のことで、調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格があれば講習は免除され、そうした資格がない人は都道府県などが指定した団体の養成講習会(標準6時間程度)を受講・修了することで要件を満たせます。近年は会場に行く集合型のほか、自宅のパソコンやスマートフォンで受けられるeラーニング型を用意する地域もあります。この記事では、厚生労働省の通知と各自治体・食品衛生協会の公式ページで確認できた内容だけをもとに、資格の取り方・免除の条件・講習の費用や形式を整理し、東京都・大阪府・名古屋市・広島市などの違いを比較します。なお、保健所への届出や許可申請の細かい取り扱いは自治体ごとに異なるため、最終的には必ず管轄の保健所と実施団体に確認してください。順位づけやおすすめの断定はせず、あなたの状況に合う取り方を選ぶための材料をまとめます。

目次

食品衛生責任者とは?設置が必要な理由と役割

食品衛生責任者は、食品関係の営業施設で衛生管理の中心を担う人です。厚生労働省が2020年1月17日付で都道府県などに出した通知「食品衛生責任者の取扱いについて」(薬生食監発0117第1号)によれば、食品衛生法等の改正でHACCPに沿った衛生管理が原則すべての食品等事業者に求められるようになったことに伴い、営業者は「施設の衛生管理にあたって中心的な役割を担う者」として食品衛生責任者を定めることとされています。対象外とされているのは、器具・容器包装を製造する営業者、食鳥処理の事業、公衆衛生に与える影響が少ない営業を行う者です。つまり、飲食店や菓子・パンの製造販売、惣菜店などは基本的に設置が必要になります。

設置しない場合の扱いについて、広島市の公式ページには、食品衛生法施行規則第66条の2第1項により食品営業施設には食品衛生責任者の設置が義務付けられていること、設置されていない場合は食品衛生法第51条第2項違反として行政処分の対象となることが書かれています。大阪府の公式ページも「原則として許可や届出の対象となる全ての施設では、HACCPに沿った衛生管理の実施に加え、食品衛生責任者の設置が必要」と案内しています。開業の許可を受ける段階で準備しておくべき項目の一つと考えておくと安心です。

食品衛生責任者の役割

大阪府の公式ページでは、食品衛生責任者の役割として次の2点が挙げられています。

  • 営業者の指示に従って衛生管理にあたり、営業者に対して必要な意見を述べるよう努めること(営業者は食品衛生責任者の意見を尊重することが定められています)
  • 営業許可業種の食品衛生責任者は、フォローアップのための講習会(実務講習会)を定期的に受講し、新たな知見の習得に努めること

東京都福祉保健局の資料では、営業者は許可施設ごとに自らが責任者になるか、従事者の中から食品衛生責任者を1名定めて配置し、責任者の氏名を作業所などの見やすい場所に掲示することが示されています。食品衛生責任者は、オーナーが兼任する場合もあれば、店舗のスタッフが担当する場合もあります。なお、同じ「責任者」という名前の別制度との違いは、後半の「実務講習会と、食品衛生管理者・衛生管理者との違い」で整理します。

食品衛生責任者になる3つのルート

厚生労働省の通知は、食品衛生責任者になれる人を、次のいずれかに該当する人としています。初めて開業する人は、まず自分がどのルートに当てはまるかを確認するところから始めましょう。

  1. 資格による免除ルート(食品衛生監視員・食品衛生管理者の資格要件を満たす人、調理師・製菓衛生師・栄養士など食品衛生に関する一定の知識を有する人)
  2. 養成講習会の受講ルート(都道府県知事等が行う講習会、または適正と認める講習会を受講して修了した人)
  3. 条例等で「同等以上」とみなされるルート(都道府県知事等が、標準的な養成講習会修了者と同等以上の知識を有するとして条例等に規定した人)

3つ目のルートは自治体の条例によって内容が異なるため、実際の対象者は管轄の保健所で確認する必要があります。この記事では、多くの人にとって現実的な「1.資格による免除」と「2.養成講習会の受講」を中心に解説します。

ルート必要なこと向いている人
資格による免除対象資格(調理師・栄養士・製菓衛生師など)の免許を持っていること。講習会の受講は不要すでに該当資格を持っている人、調理師学校や製菓の専門課程で学んだ人
養成講習会の受講都道府県等が指定した実施団体の講習(標準6時間程度)を受講し、確認試験を経て修了すること資格を持たず、開業・就職に向けて最短で要件を満たしたい人
条例等によるみなし自治体の条例等に規定された者であること。詳細は保健所に確認自治体の定める経歴・資格がある人(個別の確認が必要)

養成講習会の内容・時間・修了証

養成講習会の中身は、厚生労働省の通知で標準プログラムとして示されています。全国どこで受けても、基本の科目と時間数はそろえられています。

科目時間(標準)主な内容
食品衛生学2.5時間主要な食中毒・健康被害・食品事故とその原因、食中毒発生を防ぐ基本的な対応、施設・設備の衛生管理(5Sを含む)、基本的な食品の取扱い(食中毒予防の3原則を含む)、食品取扱者等の衛生管理(感染症の予防対策を含む)など
食品衛生法3時間食品衛生法の全体像、自主的な衛生管理(衛生管理計画・手順書、HACCPに沿った衛生管理の基準、手引書の活用方法など)、自主回収報告制度、営業規制(許可・届出・施設基準)など
公衆衛生学0.5時間環境衛生、労働衛生など
確認試験―講義の理解度と知識の定着度を確認する試験

合計は6時間程度です。通知では、HACCPに沿った衛生管理の詳しい内容は養成講習会だけで詳しく扱うのは難しいため、対象業種を絞った講習会を別途実施するなどして知見を補うことも求めています。つまり、養成講習会はあくまで「基本を身につけるための入口」であり、開業後の実務講習会や、業態に合わせた手引書での学習が続いていく流れです。

修了証(修了証明書)の扱い

同じ通知では、養成講習会を修了した人には、修了証明書などを交付することとされています。記載事項は、都道府県等名、講習会の名称、受講年月日、受講者氏名、生年月日その他必要な事項です。また、他の都道府県等から移ってきた人の資格要件は、この修了証明書等で確認するとされています。引っ越しや転職、別の地域での出店を考えている人は、修了証を紛失しないよう保管しておくことが大切です。名古屋市の公式ページには、紛失した場合は「講習会修了証明書」の発行が可能と記載されています。

講習が免除される資格と、自治体による違い

資格による免除は、食品衛生責任者になる最も手間の少ないルートです。厚生労働省の通知に示された考え方では、食品衛生監視員・食品衛生管理者となる資格要件を満たす人のほか、調理師・製菓衛生師・栄養士などが対象です。ただし、具体的な一覧は自治体の公式ページで少しずつ書き方が違うため、実際に確認できた例を並べます。

自治体免除(講習不要)として公式ページに挙げられている資格
東京都(杉並区公式ページ)調理師・製菓衛生師・栄養士等の免許、と畜場法に規定する衛生管理責任者または作業衛生責任者、船舶料理士、食鳥処理衛生管理者、食品衛生管理者もしくは食品衛生監視員の資格
大阪府(府公式ページ)医師・歯科医師・薬剤師・獣医師、調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士・船舶料理士、と畜場法の衛生管理責任者、食鳥処理衛生管理者
名古屋市(市公式ページ)調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士・食品衛生管理者資格保有者など
広島市(市公式ページ)調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士、食品衛生監視員・管理者資格者のほか、平成9年4月以降に同講習会を受講済みの人、他の自治体で同講習会を受講済みの人

例えば大阪府では医師・薬剤師なども要件として明記されており、東京都の例では「と畜場法に規定する作業衛生責任者」まで挙げられています。自分の持っている資格が対象かどうか迷う場合は、取得した免許証を手元に用意して、管轄の保健所に問い合わせると確実です。

なお、厚生労働省の通知は、特に飲食店営業では、調理業務で講ずべき公衆衛生上の措置が適切に行われるよう、食品衛生責任者に調理師を選ぶように努めることを営業者に指導するよう、自治体に求めています。調理師免許の取り方や、免許取得にかかる費用・期間を知りたい人は、次の記事も参考になります。

管理栄養士・栄養士は免除対象に含まれる資格です。管理栄養士を目指す学習の進め方は、別の記事で通信講座や模試を比較しています。

製菓衛生師が免除対象に含まれることから、菓子やパンの店を開く予定の人は、製菓・パンの学び方も合わせて検討できます。オンラインで学べる製菓・パン教室をまとめた記事もあります。

食品衛生責任者養成講習会の実施団体を比較

養成講習会は、都道府県知事等が自ら開催するか、都道府県等から指定された団体が実施します。多くの地域では食品衛生協会が指定を受けて開いていますが、名古屋市のように市が直接開催する例もあります。ここでは、自治体や食品衛生協会などの公式ページを実際に開いて、講習の存在・形式・料金を確認できた実施主体を紹介します。順位づけではなく、地域ごとの違いを見るための一覧です。なお、確認できなかった項目は無理に埋めず、「確認できず」としています。

スクロールできます
形式受講料(公式ページの記載)時間・日程修了証対象・備考
東京都食品衛生協会(東京都)会場集合型・eラーニング型公式ページで確認できず(協会・保健所に要確認)会場は毎月数回開催確認できず都知事の指定を受けて実施
大阪食品衛生協会(大阪府)集合型の養成講習会(eラーニングも協会が案内。詳細は協会ページで確認)10,500円(府の案内資料の記載。対象区分や最新料金は協会に要確認)6時間修了証が交付されると府の資料に記載大阪府の指定団体。電話06-6227-5390
名古屋市(食品衛生課)集合型・eラーニング集合型6,000円/eラーニング10,000円6時間(eラーニングは30日間の受講期間)集合型は会場で交付、eラーニングは翌月20日までに郵送市内の営業施設に勤務する人が対象
広島市食品衛生協会(広島市)集合型・eラーニング集合型11,000円/eラーニング12,000円(2026年4月改定)集合型は9:45〜16:30、令和8年度は2026年4〜12月に計22回(10月30日時点の残りは11/5・11/16・11/24・12/16・12/21の5回、各回定員70名)修了書と施設内掲示用プレートを交付市の指定を受けて開催。電話予約が必須
日本食品衛生協会(eラーニング案内)eラーニング各協会で異なる(各協会のページで確認)各協会で異なる各協会で異なる申込は勤務先所在地、または自宅住所を管轄する協会

1. 東京都食品衛生協会(東京都)

杉並区公式ページ「食品衛生責任者資格」(東京都の養成講習会の案内)

東京都で開業する人は、一般社団法人東京都食品衛生協会が都知事の指定を受けて行う養成講習会が基本の窓口になります。杉並区の公式ページによると、講習は毎月数回開催されており、申込用紙と日程表は保健所の食品衛生窓口か協会のホームページで入手できます。インターネットを使って、パソコン・タブレット・スマートフォンから「eラーニング型養成講習会」の申込と受講もできると案内されています。

受講料と時間、修了証の詳細は、確認に使った自治体の公式ページには記載がなく、協会のホームページも今回の調査時点ではメンテナンス中で閲覧できませんでした。そのため、金額などはここでは載せていません。申込前に、協会のホームページまたは管轄の保健所の食品衛生窓口で最新の情報を確認してください。どの地域でも、開業予定日から逆算して早めに日程を確認しておくと安心です。

2. 大阪食品衛生協会(大阪府)

大阪府公式ページ「食品衛生責任者」

大阪府では、公益社団法人大阪食品衛生協会が府の指定を受けた実施団体として養成講習会を行っています。大阪府の公式ページ(2026年5月28日更新)によると、令和3年6月1日以降の基準では6時間の講習で、科目は食品衛生学2.5時間、食品衛生法3時間、公衆衛生学0.5時間、確認テストという構成です。府の案内資料には、6時間の養成講習会の受講料として10,500円との記載がありますが(対象区分や最新の料金は協会への確認が必要です)、受講後は修了証が交付されます。

過去の制度で修了した人への扱いが丁寧にまとめられているのも大阪府のページの特徴です。平成10年5月以降に府で6時間の養成講習会を修了した人は、引き続き資格として認められます。平成10年4月までに4時間の認定講習会を修了した人は、2時間の補充講習会(5,000円)を受ければ、6時間の修了者と同じ修了証が交付されます。大阪府外で修了した人は、受講した自治体に大阪府から確認する仕組みです。申込先は大阪市中央区伏見町の協会事務所(電話06-6227-5390、平日9:30〜15:30)で、eラーニングについても協会のお知らせで申込方法が案内されているため、詳しくは協会のページで確認してください。

3. 名古屋市(名古屋市の食品衛生責任者講習会)

名古屋市公式ページ「食品衛生責任者講習会」

名古屋市は、市の食品衛生課が養成講習会と実務講習会を開催しており、公式ページ(2026年7月6日更新)で受講料まで明記されているのが比較しやすい点です。養成講習会は6時間の1コースで、集合型は6,000円(会場で現金払い)、eラーニングは10,000円(クレジットカードまたはコンビニ払い)と、形式によって4,000円の差があります。eラーニングは自宅や店舗のパソコン・スマートフォンで動画などを視聴する方式で、受講可能期間は30日間です。

申込はインターネット申請か、施設のある区の保健センター窓口で行い、開催月の約2か月前から講習日の1週間前まで先着順です。修了証は、集合型は講習会場で交付、eラーニングは修了日の翌月20日までに郵送されます。対象は市内の営業施設に勤務する人で、市外の施設に勤務する場合は、その施設を管轄する保健所に問い合わせるよう案内されています。

4. 広島市食品衛生協会(広島市)

広島市公式ページ「食品衛生責任者 資格者養成講習会のご案内」

広島市の公式ページ(2026年8月28日更新)では、一般社団法人広島市食品衛生協会が市の指定を受けて養成講習会を開催していると案内されています。集合形式は広島市保健所の大会議室で、午前が食品衛生法、午後が食品衛生学と公衆衛生学という流れで、9時45分から16時30分までです。受講料は集合形式11,000円、eラーニング12,000円(いずれも2026年4月改定の価格)で、2026年4月〜12月に計22回(2026年10月30日時点で残りは11月5日・16日・24日、12月16日・21日の5回)、各回の定員は70名とされています。

申込は電話予約が必須で、地区ごとの食品衛生協会か、広島市食品衛生協会に連絡します。修了者には修了書と、施設内に掲示するためのプレートが交付されます。同じ公式ページには、免除となる資格として調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士などが挙げられ、他の自治体で同講習会を受講済みの人も受講不要と書かれています。eラーニングの詳しい申込条件は、協会のホームページへの案内になっています。

5. 日本食品衛生協会のeラーニング案内(全国の食品衛生協会)

日本食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会 eラーニング」の案内ページ

地元の実施団体で会場講習の日程がなかなか合わない人は、日本食品衛生協会のeラーニング案内を見てみてください。公式ページには、各都道府県市の食品衛生協会が「食品衛生責任者養成講習会」をeラーニング講座でも提供していること、申込の概要は協会ごとに異なるため各協会のホームページで確認することが書かれています。

申込先の決め方も明記されています。現在、食品を取り扱う施設に勤務している人は勤務先施設の所在地を管轄する食品衛生協会へ、勤務していない人は自宅住所を管轄する食品衛生協会へ申し込む仕組みです。つまり、好きな地域の講習を選べるわけではなく、勤務先または自宅の地域で受講することになります。厚生労働省が2021年1月に出した通知の参考資料には、日本食品衛生協会が構築したeラーニングの概要として、ID・パスワードに加えた顔認証による本人確認、早送り防止、1時間放置で停止する仕組み、単元ごとの試験などが示され、標準的な受講料は1万円(税込)とされていました。実際の料金は協会ごとに異なり、先に紹介したとおり名古屋市は10,000円、広島市は12,000円です。

他の地域の実施団体(確認できた範囲)

上の5つ以外にも、自治体の公式ページで実施団体や形式が確認できた地域があります。受講料などは載っていなかったため、ここでは存在と形式だけを示します。

地域公式ページで確認できた内容
愛知県一般社団法人愛知県食品衛生協会が実施。集合型の養成講習会は計6時間程度、実務講習会は2時間。集合型のほかeラーニング型もある(愛知県公式ページ)
神奈川県公益社団法人神奈川県食品衛生協会が主催する養成講習会を受講する。現任の食品衛生責任者は食品衛生責任者講習会を1年に1回以上受講する必要があり、会場またはeラーニングで受けられる(神奈川県公式ページ)
福岡市公益社団法人福岡市食品衛生協会を養成講習会の実施機関として認定。日程・申込は協会のホームページで案内(福岡市公式ページ、2025年4月1日更新)
静岡市会場集合形式は静岡市食品衛生協会、eラーニング形式は静岡県食品衛生協会が主催し、パソコン・タブレット・スマートフォンで受講できる(静岡市公式ページ)

会場講習とeラーニング、どちらを選ぶ?

会場講習は、決まった日に一日かけて受ける形式で、講師にその場で質問しやすい点と、終わればその場で修了証を受け取れる地域がある点が強みです。反対に、eラーニングは自分の都合に合わせて進められる一方、受講期間が決まっていたり、修了証が後日郵送だったりします。名古屋市のようにeラーニングが集合型より4,000円高い地域もあれば、広島市のように1,000円の差にとどまる地域もあります。選ぶときの目安を、次の3点にまとめます。

  1. 開業予定日までの余裕で選ぶ(日程の選択肢が多いのはeラーニング。会場は定員があり、広島市では各回70名)
  2. 費用差を確認する(名古屋市は集合6,000円・eラーニング10,000円、広島市は集合11,000円・eラーニング12,000円)
  3. 修了証を受け取るタイミングを確認する(名古屋市のeラーニングは修了日の翌月20日までに郵送。許可申請の前に受け取れるか逆算する)

厚生労働省の通知は、eラーニングで受講する場合も、全国的に統一された内容での研修と受講修了者の情報の適切な管理が重要としています。どちらの形式でも、修了後は同じ資格要件として扱われる前提で制度設計されていますが、保健所への提出書類の扱いは自治体で異なる可能性があるため、申込前に確認しておくと確実です。

申込から届出までの流れ

開業準備と並行して進める場合の、一般的な流れを整理します。細かい手続きの順番や、責任者の届出方法は自治体で違うため、あくまで目安として使ってください。

  1. 自分が免除対象かを確認する(調理師・栄養士・製菓衛生師などの免許がある場合は講習不要)
  2. 管轄の保健所に営業許可・届出の流れを相談する(食品衛生責任者の記載方法や提出書類を確認する)
  3. 実施団体で講習の形式・日程・費用を確認して申し込む(会場講習は定員があるため早めに予約。eラーニングは申込先の協会に注意)
  4. 受講して確認試験を受ける(食品衛生学・食品衛生法・公衆衛生学の6時間程度)
  5. 修了証を受け取り、保健所の手続きに使う(紛失しないよう保管。引っ越し先などで確認を求められることがある)

開業時の営業許可や施設基準そのものの確認は、設計や工事を進める前に保健所へ事前相談しておくのが一般的です。広島市の公式ページにも、営業許可手続きの流れ(事前相談から営業許可、継続手続き)への案内が設けられています。

実務講習会と、食品衛生管理者・衛生管理者との違い

資格を取った後の実務講習会

養成講習会を修了すれば終わりではなく、営業許可の対象となる施設の食品衛生責任者は、実務講習会を定期的に受講し、新しい知見の習得に努めることとされています(厚生労働省通知、大阪府公式ページ)。受講頻度や形式は自治体で異なります。神奈川県の公式ページでは、食品衛生責任者講習会を1年に1回以上受講する必要があり、会場またはeラーニングで受けられると案内されています。愛知県の実務講習会は2時間です。取得して終わりではなく、開業後も続くものとして日程管理に入れておきましょう。

似た名前の制度との違い

名前が似ていて混同されやすい制度があります。食品衛生管理者は、乳製品や食肉製品など特定の食品の製造施設に置く管理者で、食品衛生責任者とは別の位置づけです(食品衛生管理者となる資格要件を満たす人は、食品衛生責任者の免除対象にもなります)。また、労働安全衛生法に基づく衛生管理者は、職場の労働者の健康管理や衛生を担当する国家資格で、飲食店の食品衛生とは別の制度です。衛生管理者の通信講座や試験の概要は、こちらの記事にまとめています。

食に関わる資格として、食生活アドバイザー(3級・2級)も人気がありますが、これは食生活全般の知識を認定する民間資格で、食品衛生責任者の資格要件にはなりません。食の知識を広げたい人向けの講座比較は、次の記事で扱っています。

食品衛生責任者は独学でも取れる?

結論から言えば、調理師や栄養士などの免除資格を持っていない人は、独学だけでは食品衛生責任者になれません。理由は、資格要件が「各都道府県知事等が実施する養成講習会の受講修了者」などと定められており、試験に独学で合格する形の資格ではなく、指定された講習を受けて修了することが条件になっているためです。ただし、講習当日の理解をスムーズにするための予習や、確認試験に向けた復習は独学で進められます。次の3ステップが基本になります。

  1. 全体像をテキストでつかむ(食品衛生学・食品衛生法・公衆衛生学の3科目。日本食品衛生協会のeラーニングは「食品衛生責任者ハンドブック」に沿った内容と国の通知に記載)
  2. 食中毒予防の基本を覚える(食中毒予防の3原則、5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)、HACCPに沿った衛生管理などの用語)
  3. 講習後に確認問題で復習する(確認試験は理解度と知識の定着度を確認する試験とされているため、講義で扱った範囲を見直す)

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書籍は、講習前の予習や開業後の見直しに役立ちます。ただし、資格の取得そのものは、免除資格を持つ場合を除き、必ず養成講習会の受講・修了が必要です。

よくある質問

Q. 食品衛生責任者は国家試験に合格して取る資格ですか?

A. 試験に合格して取る形の資格ではありません。厚生労働省の通知では、食品衛生責任者の資格要件は、調理師・栄養士などの資格を持つこと、または都道府県知事等が行う(認める)養成講習会を受講し修了することとされています。講習の最後には、理解度を確認する確認試験があります。

Q. 調理師免許があれば、食品衛生責任者の講習は不要ですか?

A. 調理師は免除対象として、国の通知や東京都・大阪府・名古屋市・広島市の公式ページに挙げられています。ただし、保健所への届出や提出書類の取り扱いは自治体で異なる場合があるため、開業予定地の保健所で確認してください。

Q. 受講料はいくらくらいかかりますか?

A. 公式ページで確認できた範囲では、大阪府の案内資料に10,500円(要確認)、名古屋市が集合型6,000円・eラーニング10,000円、広島市が集合型11,000円・eラーニング12,000円です。東京都などは公式ページで金額が確認できなかったため、協会や保健所でご確認ください。料金は改定されることがあります。

Q. eラーニングは、どこの地域の人でも受けられますか?

A. 受講できる地域に制限があります。日本食品衛生協会の案内では、食品を取り扱う施設に勤務している人は勤務先施設の所在地を管轄する食品衛生協会に、勤務していない人は自宅住所を管轄する協会に申し込むとされています。名古屋市のように、市内の営業施設に勤務する人が対象と明記している例もあります。

Q. 他の県で受講した修了証は、引っ越し先でも使えますか?

A. 厚生労働省の通知では、他の都道府県等から移ってきた人の資格要件は、修了証明書等で確認するとされています。大阪府では、府外で修了した人は受講した自治体に府から確認する運用が示され、広島市では他の自治体で同講習会を受講済みの人は受講不要とされています。実際の扱いは、移転先の保健所に確認してください。

Q. 食品衛生責任者は、オーナー本人でもなれますか?

A. 東京都福祉保健局の資料では、営業者は許可施設ごとに「自ら責任者となるか、従事者から食品衛生責任者を1名定めて配置する」とされています。ほかの自治体の扱いは、管轄の保健所でご確認ください。

Q. 養成講習会を受けた後は、何か続けて受講する必要がありますか?

A. 営業許可の対象となる施設の食品衛生責任者は、実務講習会を定期的に受講して新たな知見を習得することとされています(国の通知、大阪府公式ページ)。受講の頻度や形式は自治体で異なり、神奈川県では1年に1回以上と案内されています。

【豆知識】飲食店の数と食中毒の動きから見る食品衛生

食品衛生責任者を置く施設はどれくらいあり、衛生管理を取り巻く状況はどう動いているのでしょうか。厚生労働省の公表数字を2つ紹介します。

  • 厚生労働省の「飲食店概要」ページによると、令和6年(2024年)3月末現在の営業許可施設数は142万7,208施設で、前年度より11,225施設増えています(衛生行政報告例より)。
  • 厚生労働省「食中毒統計調査」では、食中毒の事件数が令和5年の1,021件、令和6年の1,037件、令和7年の1,172件、患者数が11,803人、14,229人、24,727人と推移しています。厚生労働省の資料は、令和5年以降は事件数・患者数とも増加傾向に転じ、令和7年はノロウイルスを原因とする事例の増加が影響したと説明しています。
  • 営業施設の数は増えていますが、食中毒の発生状況は年ごとに変動します。数字の増減だけで、講習の効果や今後の需要を判断することはできません。

上記は、国が公表している過去の実績の数字です。調査機関の集計による結果であり、今後の増減や、食品衛生責任者の資格取得による就職・収入への効果を保証するものではありません。最新の情報は、必ず厚生労働省や各自治体の公式ページでご確認ください。

出典:厚生労働省「飲食店概要」(営業許可施設数、衛生行政報告例より)/厚生労働省「食中毒統計調査」(令和7年食中毒発生状況の概要、令和6年食中毒発生状況の概要)、いずれも2026年10月24日閲覧

まとめ

食品衛生責任者は、調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格がある人は講習が免除され、資格がない人は地域の養成講習会(標準6時間程度)を受講・修了して取得する、という選び分けが基本になります。会場型とeラーニングのどちらにするかは、開業までの日程と費用、修了証を受け取る時期で決めるのが現実的です。

理由は、資格要件と講習の標準プログラムは国の通知で統一されている一方、実施団体、受講料、形式、免除となる資格の範囲、修了証の渡し方は自治体ごとに違うためです。公式ページで確認できただけでも、名古屋市の集合型6,000円から広島市のeラーニング12,000円まで開きがありました。まずは開業予定地を管轄する保健所に連絡して、免除対象かどうかと受講先を確認し、実施団体の公式ページで最新の日程・料金・申込方法を確かめてから申し込んでください。

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この記事を書いた人

教育事業の運営に長く携わってきた経験から、学びや資格の「選び方」を比較記事でお伝えしています。各分野の専門家として指導する立場ではなく、公式サイトなどの一次情報を確認し、料金・サポート・実績を読者の目線で整理することを大切にしています。記事にはアフィリエイト広告を含みますが、掲載の可否や順位づけは、読者にとっての分かりやすさを優先して判断しています。料金や日程は変更されることがあるため、お申込み前に必ず公式サイトでご確認ください。

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